巾1メートルほどの小川のほとりを通りがかったとき流れて来る落葉を見つけた。黄色や紅色の木の葉がきれいな流れに浮いている、その光景は晩秋そのもだった。いい被写体と思い撮るこることにした。
何度かシャッターを押した。形の古いデジカメの哀しさ、狙った構図のひと息あとが写っていた。こころ積もりはして撮ったが不満だった。
そのとき足元の水面に小さな動くものに気づいた。あめんぼだった。何年、いや何十年ぶりかに見た。体長は1センチあまり長い足を延ばせば数センチほどのあめんぼ10匹あまりが水面を滑走するように動いていた。
留まることなく動きまわる様子を見つめていた。定性的な動きはないが木の葉が流れてくるとするりと避けている。動く範囲はそれほど広くないなどと思いながらシャッターを押した。
瞬間移動の動きをするあめんぼを捉えることは木の葉以上に難しかった。何が忙しいのか問てみたかった。何枚か撮れたのを確かめて上流へ向かった。しばらくいくとめだかの1郡も見た。これは撮れなかった。
嗅いだことはないが、あめのような匂いがするところからあめんぼという名前の由来があるそうだ。また、肉食性の水生昆虫だがあの身体で何を食しているのか不思議だ。
あめんぼの住む環境があることを喜んだ。
(写真:久し振りに見たあめんぼの作った波紋)