きゅうり魚

2021-10-20 00:00:01 | あじ
稚内産のキュウリウオの一夜干しを焼いてみる。大きさも形も野菜のキュウリに似ているからこの魚名なのだろうと思ったら、生の時はキュウリの味に似ているかららしい。北海道の北からロシアの実質的領土(樺太)の方で獲れるそうだ。



一夜干しにするとキュウリの青臭い匂いがなくなるそうで食べやすいとのこと。別にキュウリが嫌いなわけでもないのだが。

サイズは大振りのシシャモだ。シシャモより大きいので頭からかぶりつくのはやめたが、一応可能だろう。

身はしっかりしていて、シシャモよりは固い。味は特におかしくはなく、あえていうとハタハタを干した感じだ。骨が固いのが少し難かもしれないが。ごく普通の薄味の魚の範疇である。

思えば、江戸時代後期(1783年)太平洋で難破し7ヶ月の漂流の末、アリューシャン列島のアムチトカ島に流れついた大黒屋光太夫様ご一行が流木を加工して作った小型船で島を脱出しロシアに上陸するまでの4年間、乏しい島の食糧の中に、このキュウリウオがたくさんあったのだろう。小さいし、味は薄いし、少し青臭いし。彼らが生きながらえたことからすると、栄養に富んでいるのかもしれない。(アムチトカ島は米国領で、地下核実験の試験場として使われ、今は「死の島」になっている)

私も初めて食べたわけだが、ほとんど本州には送られないのだろう。おそらく札幌でも手に入らないのかもしれない。ふるさと納税制度がなければ一生口にしなかっただろう。

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