詰パラ課題「2三桂」の意味に悩む

2016-10-08 00:00:27 | しょうぎ
今月の詰将棋パラダイス誌は10月1日土曜日に配達された。最近は前月の最終日に配達されることが多かったのだが。

たまたま、弊ブログでは毎週土曜日に詰将棋を出題しているのだが、土曜日の0時0分に待ち構えてられる方もいるので、前日以前に予約をアップしている。もちろん予約は公開1秒前に取り消して書き直すことはできる。

で、先週1日に出題した問題の解答は最終手が「2三桂不成」という問題だった。

そして、当日配達された詰将棋パラダイス誌を開いて確認すると、「ヤング・デ・詰将棋」のコーナーに二作掲載されていた。一つは条件付き入選というか読者の評価が高いと入選扱いになり、もう一つは「解付き」という非入選の掲載(絵画展であれば佳作?)ということ。肩身が狭い場所だが、文学で言えば大衆小説みたいな作風が純文学誌に紛れ込んでいるのだから、いまさらしょうがないか。

そして、このコーナーで課題出題があり、テーマは、

「初手or最終手が23桂」。成生不問。15手以下。


とさらりと書かれているのだが、それならば当日発表作と同じではないか。前日に配達されていたら、絶対にそれを回したなあ・・と思い、しかたなく考え始めるのだが、そのうち、この出題条件の意味を正確に国語的に解読しなければいけないことに気付く。

最初の「 」内は、初手or 最終手が2三桂ということで、初手と最終手のどちらも2三桂である必要はない、と言っているのであるが、それではその場合はセーフかアウトか、ということはor の英語の意味にかかってくるわけだ。AまたはB、というのとA or Bというのは、確かこの場合の差異があったはずだ。

そして、もっと大きな問題は、「成生不問」ということ。普通に考えると、考えられるケースは「2三桂」「2三桂生(不成)」だけではなく、「2三成桂」と「2三桂打」がある。「打」という表示は、駒を打つ場合、「打」を付けないと打ったのか盤上の駒が動いたのか不明な場合に限り使用する。(一方、「成」という字は、桂が一段目や二段目に行った時には成るしかないのだが、書かなければならない。)

まず、成という字は桂の前に付ける場合と後ろに付ける場合があって、まったく意味が違うのだが、「成生不問」では前に成を付けたものを排除できないような気がする。2三成桂はOKのような気がする。

次に「打」の方だが、初手には十分に可能性があるだろう。例えば1一の玉に対し、1五桂のひも付きで2三桂打、同銀、同桂不成以下とか。一方、さらに深慮すると、詰将棋としては最終手が「2三桂打」となることはめったにないことがわかってきた。というのも2三に桂を打って、表記上「打」が付くのはそこに1五か3五の桂が利いていることを意味するが、最終手であるならその桂が跳ねてくるはずで、桂を打つわけはないわけだ。そこで駒交換があれば最終手ではないし、桂が跳ねてすむなら、詰んだあとで駒が余ってしまう。

ところがさらに1日考えていると、仮に双玉詰将棋で、その1五か3五の桂が跳ねると、自玉が取られてしまうような場合には、2三桂打ということがありうることが見えてきた。

最後に「15手以下」、15手はアウトかセーフか?、これは考えなくても知っているつもりだが、詰んでいるのに16手目に玉が逃げて、その王を取る手が17手目になる場合は、どうなのだろう。

というような、どうでもいいようなことを考えているうちに、日々刻々と時間は進んでいくわけだ。


さて、9月24日出題作の解答。

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合い駒探しと、その合駒の利用法。主役の桂が最後にはいなくなる。ちょっとさびしい。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

修正図:元の図に余詰発生!微調整です。

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修正前

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時には入玉図だが、小技(中技?)で決める。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見を書いていただければ、正誤判断。