東海林さだお×椎名誠

2014-01-16 00:00:00 | 書評
東海林さだおと椎名誠といえば、どちらも人気エッセイストとしても有名だが、この二人の豪華対談が行われたようだ。

誌面は新潮社の書評誌『波』。実は書店では売られていないで、年間契約で自宅配送となる。1冊は100円と、105円ショップ以下である。こんなマイナーな場所で対談していいのだろうか。

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で、今回は東海林さだお氏が『殺したい蕎麦屋』というエッセイを刊行した記念だそうだ。

しかし、実際、そのエッセイのことなんか全然書かれてなく、もっぱら二人がエッセイを書くときの職業的秘密みたいなものを交換しているわけだ。

まず、二人ともエッセイを書くことが大好きだということがわかる。もっとも東海林氏の方は、書きための在庫は持たず、一つ書くたびに次のことを考えるという規則正しいやり方で、椎名氏の方は、一気にいくつも書き始めるというパターンのようだ。

もっとも東海林氏の本職は漫画家だし、椎名氏の方は色んな事をやっているのだが、二人とも共通して言っているのが、キャリアが長くなると、周囲が忠告してくれなくなることで、たとえば、東海林氏のマンガに登場する女子社員が、いつも制服を着ているのは時代錯誤であることと、最近、椎名氏のエッセイにダジャレが増えてきたことなどを、お互いに忠告して、今後、相互にチェックしましょうということになる。そして、新協定の第一号として、東海林氏は椎名氏に対し、「SFなんか書かずにユーモアのあるエッセイを書いてほしい」と忠告。

その後、話題は椎名氏が色黒であることから、アフリカ人種のことに流れ、さらに猿人に及ぶ。人間の先祖は木の上で生活していたのに、なぜ危険な地上に降りたのだろうかということになり、二人の優秀な頭脳が導き出した解と言うのは、

木の上では、行動範囲が狭くて「つまらなかった」からだろうということ。


確かに、果物以外に美味いものを食べたくなったのだろうか。

重力ピエロ(2009年DVD)

2014-01-15 00:00:47 | 映画・演劇・Video
震災前の仙台を舞台とした伊坂幸太郎のベストセラー小説を映画化。

あらすじを書くのは相変わらず下手だが、24年前のレイプ魔を兄弟それぞれが追い詰めて、バットでなぐって気を失わせたまま放火して、そのまま証拠隠滅の上、「気分爽快」とばかり弟の方が2階から飛び降りて、もしかしたら捻挫してしまうかもしれないと、感情移入した観客を心配させる作品である。

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現在進行形で続く「放火」と「落書きペイント」。「DNA鑑定」。家出少女を集めた「風俗店経営者」。

過去のできごとでありながら風化しない「事件」。「自殺や末期がん」といった家族の不幸。美少年につきまとわる「ストーカー娘」。

登場人物の多くが犯罪を起こしながら次々とストーリーは展開していくが、その犯罪行為を反省する人間はゼロ。

そして、なんとか映画上は、もっとも悪い人間一人が責任を取らされて滅亡し、THE ENDとなるのだが、それですむのだろうか。

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心の中の良心の比率が高い人には、割り切れないことが多過ぎるのかもしれないし、完全犯罪愛好家からは、「それでは足がついてしまうではないか」という割り切れなさが残るかもしれない。

いずれにしても、おおた的には、映画で見たからと言って「殺人」「放火」「落書き」「レイプ」「犯人隠匿」「殺人サイト」「ストーカー」など実行する勇気はほとんど湧きあがらないわけだ。せいぜい、「無断欠勤」「無銭飲食」程度だが、零細企業でも社長になると、その二つの行為は、何の問題にもならないことが多いわけだ。


ところで、本映画のメインテーマにつき、小説や映画の世界ではなく、現実として直面している元アイドルローラースケーター家族のことをどうしても心配してしまう。

本田圭佑選手のファッションが悪評

2014-01-14 00:00:25 | 市民A
イタリア人からみて本田選手のファッションに対してのブーイングが起きているようだ。

要するに、イタリアファッションが似合っていないということらしい。さらに、金髪のショートヘアにサングラスというのがヤクザっぽいということもあるようだ。

一言でいうと、スーツが似合わないということらしい。

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もちろん彼は、髪の色以外は日本人なので、スーツの似合う体型のわけはないのだが、確かに似合わない。モスクワなんかにいて、元々ソ連の陸軍チームにいたのだからミリタリー風に染まってしまったのだろうが、さらに詳しくスーツを見ると、もしかしたら英国製のスーツを着ているようにも見える。画像は集められなかったが、会見の時にはストライプのスーツの生地の感じが、イタリア風のツルツル感ではなく、英国風のザラザラ感のように見えた(もっとも4Kテレビじゃないので不正確だが)。

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ミラノに降り立った時には、ACミランの公式スーツを着ていたようだが、なぜ公式スーツを着用したかというと、イタリア製の私服スーツが間に合わなかったのかもしれない。

で、少し調べると、チームの公式スーツはドルチェ&ガッバーナ(通称ドルガバ)だそうだ。キムタクもご愛用。ただ、公式スーツは飾り気が感じられない。ベスト付き3ピースである。

一方、本田選手ご愛用ブランドはダンヒルだそうだ。これは日本代表の公式スーツがダンヒルのため、選手にダンヒル愛用者が多いということだそうだ。


確かに、横浜の自宅近くにある山形屋でも海外製スーツの50%が英国製、40%がイタリア製、10%がフランス製という比率だ。英国製かイタリア製か。もっともイタリア製を着こなすには年季が必要である。

英国製スーツは、次の転勤の時に備えてクリーニングに出してしまっておく方がいいだろうか。

「元」の人たち

2014-01-13 00:00:15 | 市民A
昨日書いた、「Discover Museum」だが、展示品を提供しているのが永青文庫である。永青文庫とは、熊本の大名家である細川家が代々収集したお宝の山を管理していて、その理事長は、いうまでもなく細川 護熙氏である。第79代総理大臣にして、肥後細川家の当主。

この方が、都知事選挙に出馬するらしいという情勢になったようだ。もっとも小泉神輿という感が強い。総理大臣になった時は小沢一郎に担がれたのだが、「またか・・・」という声が聞こえそうだ。

都民ではないのだが、しかし、色々と隠し候補者が次々に現れるものだと感心するとともに、「したい人より、させたい人」というのがいないものだと感心。各政党の事前調査の時には登場しなかった名前が現れるものだ。

ところで、「元首相」以外にも「元大臣」とか「元防衛官」「元弁護士」とか「元」が付く人ばかりだ。「元アナウンサー」とか「元芸人」は出ないのだろうか。

個人的には。猪瀬前知事も、再チャレンジしたらどうなのだろう。

滝クリに五輪誘致の責任をとってもらおうという人もいる。

で、細川氏が第二次世界大戦をどう思っているかだが、細川家最大のお宝を消失してしまったわけだ。熊本城。江戸城を再建するとか言いそうである。

禅・仙ガイ(崖という字の山なし)展(前期)

2014-01-12 00:00:25 | 美術館・博物館・工芸品
羽田空港の第2ターミナル(ANA側)の一番端(手荷物検査場D)のさらに二階にある美術館が『Discovery Museum』。入場無料で「禅・仙ガイ展」が開催されている。1月が前期で2月が後期展示。一応、航空券がなくても行けるところなので、電車(モノレール)代だけで見に行けるわけだ。ただし、場所柄、広いわけじゃなく展示枚数は限られてしまうが。

まず、仙ガイだが、正確には仙ガイ義梵(せんがいぎぼん)という。正確には仙は略語だが正字はIT対応していない(gooではガイも対応していない)。白隠慧鶴と並び江戸時代を代表する禅僧である。両者ともに書画の達人であるとともに禅問答の名手である。この書画と禅問答が当時の一流僧の条件だった。

1750年に美濃の農家に生まれ、11歳で禅宗に入り、32歳で独り立ちする。その後、諸国行脚を続け、いろいろあって40歳の時に福岡の聖福寺の第123代祖師となる。日本でもっとも古い禅寺で、初代祖師は、栄西である。そして、腰を据えた彼は22年間、書画を描きながら住職という住職をこなし62歳で隠居するのだが、世の中は甘くなかった。第124代の堪元等夷が26年目に福岡藩により島流しの処分を受ける。檀家から強引に寄付を集めたらしい。そして、86歳の仙ガイが再び125代として再登場。しかし、翌年、ついに力尽きるわけだ。やはり、再登場は辛いものがあるのだろう。

で、肝心の書画の方だが、いわゆる禅問答を絵画化したものや、僧が悟りを開く瞬間などが選ばれて描かれている。

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実際に悟りを得る瞬間というのは、各自各様のようで、日常生活のある瞬間に、ふとやってくるようだ。ニュートンのリンゴみたいなものだろうか。だから絵画としては少し面白くない。やはり禅問答の方が絵になる。

「犬に仏性があるやないや」という質問に中国の高僧が、「無」と答えたという有名な公案の絵が展示されている。この場合の「無」というのは「虚無」よりもっと前の「無」ということを意味するそうだ。(絵を見てもわからないが)

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もう一つ、「猫か虎か当ててみろ」という絵がある。答えは「虎」らしいのだが、理由は不明だ。いかにも猫のようだが、当時、虎は日本では見ることができず、虎の絵をみて虎をイメージしていたそうだ。猫を描くなら、虎に間違われない様に虎模様には描かないはずだからだろうか。たぶん違う。

棋士名鑑 谷川浩司

2014-01-11 00:00:05 | しょうぎ
竜王戦の倉敷会場での解説会の「次の一手」の賞品「棋士名鑑DVD第一巻谷川浩司」を見ることにする。

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頂いたばかりだし、次の一手の正解者用に5本くらい積まれていたので、最新刊かと思ったのだが、2008年作。谷川九段45歳の時だ。彼が光速の寄せにより少年時代から一直線に名人になったまでを回顧していた。どうして光速の寄せを手に入れたのかは明らかになっていなかったが、同業者の意見として、谷川氏が詰めにきた時は、あきらめると証言していることからして、多分に信用力の力もあるのだろう。

初めて名人になった時に「一年間預かる」と言った時には、中原、米長、加藤、大山に次いで5番目だろうと思っていたそうだが、二十代後半になって、自分が一番強いと思ったそうだ。

個人的に思うのだが、そういって自分に一番を言い聞かせるようになるところが、困難の始まりということがよくある話だろうか。自分がスターであることを自覚するために、手首に星のタトゥーを入れたために、タトゥー嫌いのNHKから昨年末の紅白落選を言い渡されたN島美嘉さんみたいな例もある。

そして、現在進行形のA級順位戦で大苦戦中の谷川九段だが、その去就はどうなるのだろうか。詰将棋の得意な将棋棋士を続けるのか、将棋の得意な詰将棋作家に転身するのか。ただの将棋連盟会長となると、失礼ながら、少し手元がさびしくなるのだろうか。


さて、12月28日出題作の解答。

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初手より、

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12手目(途中1図)より

a3


24手目(途中2図)より

a4


まで33手詰。

動く将棋盤はこちら


さて、今週の問題は、いたってシンプル。

0111


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ正誤判断。

駅弁で勉強する神田橋の不思議

2014-01-10 00:00:15 | あじ
東京駅で駅弁を買うときは、いつも新幹線改札の内側だったのだが、実はそこはJR東海(名古屋本社)のテリトリーで売店もJR東海の子会社である。なんとなく割り切れないものを感じ、東京駅の中ではあるが新幹線ではない場所で買ってみるのだが、さらにJR東日本系の売店と、一般の売店とにわかれている。たとえば崎陽軒なんかがその一般の部である。元々横浜に住んでいるのだから崎陽軒を買うわけもなく、神田に本社のある某社の「神田川」という弁当を買う。雰囲気、豪華である。

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ただ、弁当を開いて冷静に観察すると、それほどでもない。容器が紙の部分は竹皮風で、プラの部分は金色である。さらに弁当自体が6ブロックに分かれているが、よく見ると、うち3ブロックはメシである。炊込み風、チラシ寿司風、日の丸風。おかず比率は50%だ。なんとなく釈然としないが、あきらめて食べるしかない。

食材は、茶飯、鮭飯、白飯、煮物(がんも、里芋、筍、その他)、鶏唐揚、ぜんまい炒め、玉子焼、煮帆立、金平牛蒡、柴漬、鱒いくら、パプリカ、付合せ 調味料(アミノ酸等)、加工澱粉、乳酸、酸味料、着色料(赤106、赤102、カラメル色素、黄4、青1、赤3)、酒精、ソルビット、pH調整剤、甘味料(ステビア、甘草)、ポリリン酸、保存料(ポリリジン、ソルビン酸K)、グリシン、凝固剤、酸化防止剤(V、C)、リン酸塩、漂白剤(次亜硫酸Na)、水酸化Ca。後半の薬品類(調味料以下)は付合せに使われているということなのだろうか。白飯に乗っている梅干し一つのことを付合せと呼ぶのだろうか。


ところで、この弁当のネーミングが『神田橋』。すきやばし某という寿司店は有名だが、神田橋というのは何だろうと思うのだが、どうもこの弁当会社が千代田区外神田にあることから所在地の神田を気安く流用したのだろうと推測する。

そして、実際に神田橋があるかどうか探してみると・・

あるにはあるが、意外なことがわかる。神田橋は神田川の橋ではなく、日本橋川の橋なのである。この神田川だが、小石川のところで、下流に二本分かれていて、北側の川は水道橋、聖橋、万世橋などを経て、隅田川に両国付近で合流している。一方、小石川で分流された日本橋川は、その後、江戸城外堀と一体化したあと、日本橋を経て、隅田川の最下流の永代橋付近で合流。神田橋は神田川ではなく、なぜか日本橋川の方の橋なのだ。

東京駅といってもJR東海の弁当を売っているようなものなのかもしれない。

海外振込め詐欺の巻添え被害免れる

2014-01-09 00:00:04 | 市民A
雇われ社長をやっている会社で先月中旬から困っていた問題が、正月を過ぎてやっと解決。

海外顧客への売上金約1000万円が入金されず、押したり引いたりしていた。1000万円というのは微妙な金額で、諦めるには多すぎるような、少ないような・・。まあ、1万円でも焦げ付きは嫌だよね。

なぜそんなことになったかというと、取引先某国の会社に請求額と振込先を記したメールを送ったのだが、そのメールがあちら側のどこかで横取りされ、当社社員になりすました「X」が、そっくりメールを偽造して、偽の振込先を示して「ここにすぐ振り込め」ということをやったわけだ。当然ながら、あちこちに疑問の多い偽メールだが、なぜか、「X」氏に約1000万円を振り込んでしまったらしい。なにしろロンドンの下町の銀行支店なのだから、おかしすぎる。

で、そういった状況は、こちらではまるで見えないわけで、いつまで経っても入金がないため、電話で話すと、およその状況がわかってきた。売掛金を「X」に横取りされたわけだ。しかし、どうみても振込め詐欺の被害者であるべきは、相手の会社だ。「別のところに誤って払ったので、あなたには払わない」という理屈があってはたまらない。被害者役のたらいまわしになってしまう。

それから、被害者役の押し付け合いが始まり、あの手この手で攻防を繰り返す。あなたのシステムやスタッフをチェックすべきだ、とはっきり書いたりした結果、やっと入金されそうな状況になったが、そこからがまた長い。12月20日(金)には、「振込む」という連絡があったものの、翌週の23(月)、24、25、26は先方クリスマス休暇。12月27日(金)に手続きをはじめて、先方が送金したのは12月30日。時差の関係で日本着は12月31日だが、銀行休業日。そして日本の銀行が窓口を開けたのが1月6日。

やっと、お金にありついたわけだ。誰が被害者になるか、が確定した。

化石サルから日本人まで(鈴木尚著)

2014-01-08 00:00:22 | 書評
kasekisaru鈴木尚氏は化石人類学の大家である。本著の中では、ネアンデルタール人の本物の頭骨を金庫の中から取り出してもらって触ってみたくだりが書かれているが、超大家でないとそんなこと許されないのは自明なのだから、いわば「ささやかに自慢している」わけだ。

で、本著はわかりにくい題名なのだが、全編をまとめれば、「ネアンデルタール人考」である。この表現でのネアンデルタール人というのは、オランダのネアンデルタールで発見された人骨だけではなく、その同時代に広く世界に分布していた人たちのこと。

1971年の書で40年以上前なのだが、実はその時点から、色々と研究は進むものの、実はあまり決定打は出ていない。

もともと19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、世界中で人骨発掘がブームになり、このネアンデルタール人の仲間が見つかっていた。しかし、多くの点で、現在、唯一の人間族であるホモサピエンスと骨格が異なっていて、その二つの「人」が、どういう関係なのかがわかっていなかった。だいたい、ホモサピエンスよりも体格が一回り大きく、脳の容積も大きいのだから、簡単にやっつけられるとも思えない。ただし、喉の構造から言語を話す能力が劣っていたと考えられていて、集団戦争みたいなものが行われたのだろうか。

それにしても、20,000年ほど前に世界中にいたネアンデルタール人が絶滅したというのは、なかなか考えにくいわけだ。本著では、未開人種の中には、まだいるのではないかとも記載されているが、それは確認されていない。

当時の説は、世界中のネアンデルタール人が、住んでいる地域で進化してホモサピエンスになった、という説と、ネアンデルタール人を絶滅させるのに得意なグループが世界を席巻したというような説が中心だったようだ。

そして、その後の研究で、そのどちらも否定されているようだ。

つまり、ネアンデルタール人のDNAが解読されたということ。まず、ネアンデルタール人がホモサピエンスになったということは否定されたそうだ。そして、さらに人類(ホモサピエンス)の大移動の際、アフリカに残った民族以外の出アフリカ族(世界のほとんど)には、ネアンデルタール人の遺伝子が数%混ざっていると言われ始めた。さらに、その混血率が民族で異なるということらしい。

これは、アフリカ脱出が、大きく2回あったことと関係しているらしく、まだほとんど解明されていないようだ。つまり、簡単に混血可能なのかということに大きな疑問があることと、民族の移動の順序とか道筋とかに不明な点が多く、離れた場所に同じような民族が住んでいたりするからだ。


そして、20,000年というのは、それほど長い時間じゃないのだろうと思うわけで、現代の人間が、高い知能の割りに好戦的なのは、ネアンデルタール人を棍棒で殴り殺して、時には喰人していた名残なのだろうと思うのだが、この分野の研究って、なかなか倫理的に難しいのだろうと、うすうす感じたりする。

ランナー(あさのあつこ著)

2014-01-07 00:00:09 | 書評
昨年の最後に読んだのが、『ランナー』。著者のあさのあつこ氏は岡山県人で、どうも県内に居住しているようだ。だが小説は標準語で書かれているので大丈夫だ。バッテリーシリーズとは一味異なり、複雑な事情を持つ母子家庭の長男が主人公で、高校生であり、長距離ランナーである。

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美しいフォームと力強いメンタルを兼ね備えた彼の母親は、夫に逃げられたうえ、夫の親戚の孤児を母親のように育て続けていたが、いつの頃か、その娘の容姿に憎き夫の影を見るようになり、児童虐待を始める。

家庭の崩壊と、スポーツを巡っての少年や少女たちの心の成長を、縦糸と横糸として小説が織りなされていく。文庫本で250ページ程度の中編作だが、これをもっと濃密にしさらに長編にしてしまうと、読むほうが、その本の重さに狂ってしまうような気がする。

東京から岡山まで新幹線で3時間20分だが、駅弁を食べ、おもむろに熱海あたりから読み始めると、京都、新大阪、新神戸と3連続停車駅のあたりで読み切る。残り30分くらいで、小説を思い起こして余韻を味わうことにしている。

あたご梨の秘密

2014-01-06 00:00:54 | あじ
あたご梨(愛宕梨)を一つだけ買ってみる。一つなら1200円位である。二つ買うと割安なのだが、何しろ、巨大な梨である。普通の梨の3倍はあるだろうか。不味かったら困る。まずは1個買い。

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やはり比較としてミカンを並べると、その差の違いに驚かされる。さらに重量感がある。ボーリングのボールよりは小さい。

そして、味は、予想に反して二十世紀梨に近い。ただ、二十世紀梨は皮が緑色系(青梨)だが、この梨は赤色系(赤梨)。後で調べると、やはり二十世紀からの派生らしい。そして、梨自体は中国から古来伝わったものとされるが、この梨に『愛宕』と名前がついたのは、東京の愛宕山周辺で栽培されていたかららしい。

そして、いつのまに岡山県が大産地となったようだ。

で、この梨には大きな秘密がある。

ネット上でもこの疑問点に多くの疑問が投げられている。

秘密とは、こういう質問だ。

「まずいのですが、・・・」というようなもの。

回答は、

「味は、こんなものです」とのことだ。

三酒

2014-01-05 00:00:31 | あじ
長い年末年始の間に、結局は四合瓶×3ということになる。

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白菊:岡山の酒。やや黄色がかって、ぬる燗にすると、いたって飲みやすい。やや黄色なのは、自然着色なのだろうか。あるいは人工着色なのだろうか。

三光正宗:何度も潰れた海運会社等と同じネーミングなのが今一だが、白菊よりは辛口である。やや酒臭い感じがあるが、好き好きだろうか。こちらも岡山の酒である。実際、酒屋にいくと相当数の地元産の酒が並んでいる。

五郎八:こちらは新潟産の濁り酒。いかにも分解できずに悪酔いしそうだ。ちびちび飲めばいいのだろうが、ちびちびちびちびちびちび、という感じで沢山飲み過ぎてしまう。

ところで、TPPで日本の農業はコメを作れなくなるとの説もあるが、コメだけではなく、酒米も含めた米作と考えれば、日本酒を世界に拡販していく方法もあるだろう。何しろ、日本酒の最大の問題点は、「酔っ払いやすい」ということだが、外国人の方が酒に強いのだから、日本よりも海外の方がいい市場のような気がする。

今年は、もう少し将棋を指したいと・・

2014-01-04 00:00:37 | しょうぎ
2014年になり、今年はボチボチ将棋の時間を増やしたいなと思っている。いくつかの大会出場の他、色々と定跡の本とか読んでみようかとか、例年と少し違うことを考えている。ネット将棋も以前は大分指していたが2013年には大会前に数局指すだけでおそらく10局以下だったような気がする。点数に拘らずに新戦法の練習場と割り切ってしまおうと思っている。

詰将棋こそ、昨年は力を入れられなかったのだが、たぶん棋風は変わらないような気がするが、松尾芭蕉風の「かるみ」を目指していこうと思っている。「古池や蛙飛び込む水の音」みたいな5手詰が作れたらいいなあ、とか。

プロ棋界で注目したいのは、「16世名人が引退するのかどうか」とか「棋王戦トーナメントで三冠に二連勝した新鋭棋士」のことや、「女流五段棋士が男性四段棋士を兼任した場合、収入が二本立てになるのだろうか」とか「1987年に新人連勝記録『17』を達成した棋士の弟子が、どこまで記録に近づけるか(とりあえず、1連勝)」あたりである。


さて、12月21日出題作の解答。

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▲4三金 △3一玉 ▲3三飛 △2一玉 ▲3二金 △1一玉 ▲2一金 △同玉 ▲4三角 △1一玉 ▲3一飛成まで11手詰。

金と角を入れ替える構想である。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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正月らしい問題を考えても思いつかないため、1月1日にちなみ11手詰。と、こじつけてしまう。かなり簡単なつもり。正月風である。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

神頼みはいけない、と思う

2014-01-03 00:00:55 | 市民A
正月になり、多くの人は神社に行って、「今年は○○がうまくいきますように」と祈願をすることになる。題目は、家内安全とか希望校合格とか、招福、交通安全、良縁とかさまざま。

私だって何カ所かに行っていたし、今年も何カ所かには行くだろう。

ただ、最近わかってきた(というか勉強したこと)のだが、「神頼み(かみだのみ)」とか「神頼り(かみだより)」というのは、全然ダメ思想らしい。

そもそも、世界にはあちこちに神がいるのだが、大きくいって二種類になる。一つは絶対神型。たとえば、キリスト教のゴッド。神は一つだ。イエス・キリストは宗派によって異なるが、「神の子」とか「神の使い」とか「予言者の中の一人」といった役回りだ。また、イスラム教のアラー。こちらも神は一つだ。ムハンマドは最終かつ最高の予言者で布教活動を担当したことになる。

一方、ギリシア神話の神々や日本の神々の場合。こちらが初詣に関係する。これらの神々は、分業制で大人数がいて、よく人間界に出没する。ただし、自然をねじ曲げる力を持っているわけだ。

たとえば、よく交通安全を祈願して車のお祓いを受ける場合がある。交通安全の神様に対してだ。ギリシアには海の神ポセイドンというのがいて、海上交通の安全や危険をコントロールしていた。ポセイドンは神様だから人間から賄賂とか賽銭をもらうわけではなく、海(地中海)が平和な海であることを祈っていて、その秩序を乱す悪者が船に乗って暴れると、目に余った場合、大嵐を起こして海の中に船ごと引きずり込んでしまう。ポセイドンが要求するのは、人間が安全な航海をした報告と、今後とも安全航海を続けるという人間と神との間の契約(約束)なのである。

だから、むやみに神社に行って根拠もなく、今年も交通違反が見つからないようにというようなことを祈ってはいけないわけだ。正しくは「昨年は、スピード違反2回、駐車違反3回の上、100対0の追突事故まで起こしてしまいました。深く反省の上、今年はスピードメーターの60キロのところに赤いテープで目印をつけ、ウインカーはどんな曲がり角ででも表示し、一時停止線では必ず止まります。違反した場合には、神様との契約は失効します。というようなことを祈念しなければならないはずだ。(本当は、大きな声を出して読み上げた方がいいだろう。神様の数に対し、祈願者が多過ぎる国だから)

初夢は、「マルハ王将事件」

2014-01-02 00:00:43 | 市民A
飲み過ぎでうつらうつらした頭で初夢を見るのだが、最初は夢の中で考え始めたのだが、そのうち夢から覚醒してきて、少し考えを進めてみた。

その内容は。「王将とマルハの二つの事件が関係あるのではないか」ということ。というか、まだ犯罪は始まった段階で、今後、グリコ・森永事件のようになっていくのではないかという危険だ。だから、特に王将社長が狙われたのは、単に犠牲者として狙われやすかったから、というだけではないだろうか。

わかってきたのは、マルハ事件の場合、犯行が行われたのが11月末から12月初めらしいということ。そして、王将事件は12月になってからだ。グリコ森永の場合、解決していないのだから単なる推測になるのだが、最初にグリコ社長誘拐からはじまり、次にグリコ、丸大、森永、不二家などへの脅迫が行われ、実際に青酸入り菓子が事件に登場する。

今回は、最初に荒っぽい手が用いられ、その後はジワジワと多くの企業が脅迫されるのではないだろうか。もっとも、防犯カメラやその他のIT監視が進んだ現在、金を回収するのは簡単にはいかず、やはり株の先物といいたいが、それもおそらく発覚するだろう。むしろ下がった株を、自然体で買って、長期で利益を得ようというようなことなのだろうか。

なにしろ、夢の中から考え始めたので、唐突なのが、初夢らしいところだ。