シティバンクのカラー

2004-07-16 21:16:57 | マーケティング
7fd3400c.jpgシティバンク(かっこよく発音すれば「シリィバン」だが)日本での評判は今ひとつである。ネットカフェで暗証番号が盗み読みされ、ネット引出し被害が起きた事件の際、責任逃れをしようとした件、横浜支店長が数億円を顧客から騙し取った事件。最近ではシンガポールで顧客データ輸送中の紛失など、問題が多い。そして、保険やカードなどの勧誘DMが多いのである。

 一方、店舗や銀行のイメージといった評価は結構高いのである。そういったトータルイメージを形成する一つにカラーがある。藍色と青が境界線を微妙にまぜながら、清潔かつ高級感を引き出している。

しかし、この色、日本人ならどこかでなじみのある色ではないか。
そう、葛飾北斎の富岳三十六景。富士の背景となる江戸の空の色である。
 しかし、この藍色、北斎が好んだからと言って日本製ではないのである。北斎に先んじること僅か前にヨーロッパで開発された新しい色彩なのである。当時の呼び方で「ベルリンブルー」。わずか10年ほどで北斎の手にかかり、あの美しい赤富士を引き立てるのである。日本では、「べろ藍」の名で呼ばれていた。べろはベルリンである。

芸術の国境を越える伝播速度は、おそろしいものがある。

国立近代美術館工芸館に寄る

2004-07-15 21:18:07 | 美術館・博物館・工芸品
22b195a3.jpg動物のモチーフ展(所蔵)である。北の丸公園の南側、竹橋駅より西へ坂を登っていくと国立近代美術館がある。さらに公文書館を過ぎ、右側の北の丸公園に入ると正面に木々に囲まれた、いわくありそうな煉瓦造りの2階建てがある。

現在では、近代美術館の付属の工芸館として改装されているが、古くは近衛師団の本部である。歴史上の建物をこのように、改装して別の用途に使うというのは今一つ納得がいかないこともあるが、歴史を封印してしまうよりもいいのであろう。
近衛師団といえば、軍国主義の象徴のような存在であり、そのまま公開というわけにはいかなかったのだろう。

この建物、実は改装前に足を踏み入れたことがある。
今となれば住居不法侵入罪も時効であるだろうが、学生の頃、公園を散策していると、錆びてところどころ破れた鉄条網をくぐり、ほこりが厚く積もった建物内に足を踏み入れたのである。板張りできしむ床、一部残された家具、割れたガラスなど。突然タイムワープしたような世界であったのだが、当時はその建物が何であるかを知ることはできず、その答えは、十数年経ってから知るに至ったのである。
そんなことで、近くに行く度に、何となく寄ってみたい建物なのである。

当時、一緒に鉄条網をくぐった友人は、その時のことを覚えているのかなあ。

UFJの行方

2004-07-14 21:19:51 | 企業抗争
まないたの上の鯉であったはずのUFJは、料理される前に死んでしまいました。

しかし、きょうの報道のように東京三菱に吸収されて終わるのでしょうか?私は、疑問を持っています。
疑問1.住友信託に信託部門(旧東洋信託)を譲渡する話を白紙撤回したが、約束を簡単に反故にできるのかな?
三菱としては、住信に生きている心臓(信託)を持っていかれた残りの腐肉だけ引き受けることはできないということでしょう。
疑問2.三菱はUFJに不良債権4兆円を始末してくるように言うだろうけど、そうすると、ダイエー、大京などといった回収不能債権を全部整理しなければならないが、大問題になる。
疑問3.三菱だって三菱自工を引き受けなければならないのに、さらにお荷物が増える。まして株主が納得するか
疑問4.合併価額残っているのだろうか
疑問5.これがポイントですが、一旦UFJを引き付けておいて見捨れば(合併の白紙化)、預金者はUFJを解約するに違いない。
そうすると、預金は自然に安全な三菱にシフトされるわけで、余計な支店や人員を引き受ける必要はない。

ということで、紆余曲折の結果、りそなのような国有化銀行になるのではないかな。住信も今度こそ相手にしないだろうし。

忘れた頃にやってくるのは

2004-07-13 21:20:40 | MBAの意見
2459f9b0.jpg忘れた頃にやってくるのは「災害」か「配当金」である。帰宅するとHIS社からの封筒が届いているではないか。そういえば、株主だった。そうか配当かと思って、封筒を切ると、中間決算書と旅行パンフレットと株主優待券。

残念ながら中間配当はないようである。まあ株価でもうけたからしかたがないかな。
株価自体はファンダメンタルの数字だけでなく、様々な要素でオシレートするわけで、儲けるには技術がいるのだろうけれど、この会社、いつみてもしっかりしている。自己資本比率は50%前後で無借金、年々シェアを増やしている。

先日、出資会社のスカイマーク航空で羽田福岡間を往復したのだが、アメリカで有名な「サウスウェスト航空」を大いに意識したシステムのように見えた。
飛行機の離陸時間が近づくと、地上職の社員がボーディングの手伝いにやってくるし、搭乗券はプリントされた普通の紙である。機内サービスは、ホットコーヒーは無く、冷たいドリンクにしぼっている。
 機内のシートカバーにはHIS社の文字が入っていて、相乗効果を狙っている。

 今後、HISに死角があるとすれば、社長から会長に交代した沢田氏の熱意が続くのかという問題と、最近微増している一般管理費ではないだろうか。

しかし、こんなにいい会社でも「株価」は複雑で、すでに、少し前に利益確定してしまったのである。

あとはまた、この社を含め優良会社数社の罫線をずっと睨んで待つということになる。

49対50の結果

2004-07-12 21:22:11 | 市民A
参院選が終わった。サプライズ無しの結果で、東証は金曜に続き、上昇している。外国人(この表現は好きではないけれど)投資家も政権交代懸念が遠のいたとして、再び買いに入った模様である。

 しかし、先週から、日本人には理解できないのだが、外国人の多くは「自民党が敗北すると構造改革が挫折する」という共通認識を持っていて、世論調査の結果をみて、大きく日本株を売り込んでいた。

では実際のところ、民主党政権になった場合、構造改革が頓挫することがあるのだろうか。私は、やはり若干の懸念があると考えている。
もともと、多くの出身地を持つ政党だけに、小沢一郎氏のように激しい改革派(岡田氏もこの流れと考えられる)が存在する一方で、今や超保守主義と化した労働組合出身者まで抱えているのであって、支持率に余裕がない以上、どうしても妥協的な政策に落ち着くしかないのではないかと考えられる。自民党にも経済的保守主義と革新主義が同居するのと同じことである。

いいかえれば、政治的な保革と経済的保革の組合わせでできる4つのグループが拮抗している状況では、いずれにしろ、安定的な政策の進展は期待できないのではないだろうか

am/pm経営権の移転

2004-07-11 21:23:47 | MBAの意見
35313f25.jpgコンビニエンス8位am/pmの経営がJOMOグループからレインズへ移動した。

実は私は、以前の会社でam/pmにかかわる仕事をしたことがある。日本での2号店が米軍横田基地の隣、16号線に面するガソリンスタンドの敷地の中に設置されることになり、開業の前後2年ほど手伝っていたのである。その店は結局うまくいかずに今はどうなっているのか知らないが、このチェーンは、その時の郊外店の失敗を参考に、どんどん都会に出現することになっていくのである。結局1500店までに増えたのであるが、当時4000店のセブンイレブン、2000店台のファミマはともに10000店にも膨張。競争は厳しいし、一時ビルの賃料は低迷していたが、最近は都内は上昇。予想していたことではあるがまたも赤字傾向に陥っていた。
創業時には、かなりの累積赤字が拡大していたものの親会社にも耐えうる体力があったのだろうが、もはや今は体力なしというところか。

しかし、一方新経営者のレインズ、「牛角」はいつも満員ながら原材料の牛肉の高騰が相当こたえているはず。とも倒れにならねばいいのだが。

わんぱく将棋大会開催

2004-07-10 21:27:08 | しょうぎ
137c64af.jpg 午後から中川西地区センターで小学生の将棋大会。いつもの将棋教室とは、こどもたちの意気込みが違う。稽古と本番の差というのは、こどもでも大人でも同じだ。成績をみても、大会にになるといつもよりずっといい成績になる子も多い。こういうのも性格なのだろうか。

結果は、小1のH君が優勝、5年のS君が2位。この二人に勝った小1のH君は8位であったが、4月に教室に来たときは、覚えたてだったのに長足の進歩だ。聞けばパソコンソフトと対局しているとのこと。おそろしいことだ。(谷川17世名人は、お兄さんと一緒に百科事典を見ながら覚えたらしいが、一人っ子が増えてくると、パソコンが兄弟のかわりになっているのだろうか)

最近、わかってきたのだが、教室を固定メンバーにするのは、一見教えやすいのだが、反面、相対的に弱い子は、少しずつ強くなってもなかなか勝てないために、そのうちやめてしまう。
現在はいい流れになってきて、常に覚えたての子が入ってくるため、何回か通っている間に、自分より弱い子が入ってくるため、そのうち勝ち始めることができるのだ。

この教室のこども達がプロまで言わなくてもずっと将棋を指し続けてくれることを願いたい。

バラード社、子会社をフォード、ダイムラーに売却

2004-07-09 21:29:54 | MBAの意見
約15年後、ガソリン車から転換すると考えられている燃料電池車。そのエンジンにあたる燃料電池を開発している会社は意外にも数少ない。その一つがカナダのバラード社、もう一社は米国のUT社である。

自動車会社の中には自社開発路線の社もある。トヨタ、ホンダ、VWなどである。GMは態度未定である。日産、現代はUT社乗り。バラード社は軍事用の潜水艦内での発電を目的とし、UT社は人工衛星での発電を目的とした電池の研究、生産を行ってきた。いずれも少量、高付加価値型のビジネスであり、会社の規模も小さい。2000人以下の会社である。

燃料電池車が大量に走りだすまでには、いくつかの多方面にわたる課題があるとされているが、その課題(疑問)の一つが、このバラードやUT社の経営であり、製品化まで10年以上、研究を続ける資金が続くのかという点である(本当に利益化するのは15年先であり、さらにそれは確実ともいえない)。まさにその不安が現実化したのだろう。

今後、ダイクラ・フォードの色が強くなれば、他の自動車メーカーは自社開発へ向かうのかもしれないし、開発はさらに遅れるのかもしれない。UT社に乗り換えるかもしれない。

一方、トヨタとGMの今後の選択が微妙に世界の燃料電池車の動向を左右するように思える。

モーツアルトオルガン幻想曲を聴く

2004-07-08 21:31:09 | 音楽(クラシック音楽他)
f2cd1e00.jpg昼休み、サントリーホールでオルガンコンサートを聴く。モーツアルトの幻想曲K608.

もちろん聴いたことはなかったのだが、交響曲41番と重なるように聴こえる。同じ時期かなと思い、後で調べると。41番の方が少し先であるが同じ年に書かれている。

彼は交響曲40、41番と人類の大遺産を仕上げたあと、交響曲は作っていない。大作品過ぎたのか。
その後、室内楽を少し書いたあと、魔笛とレクイエムを半分書き、病魔に倒れ、共同墓地のどこかに眠った。埋葬された場所は妻だけしか知らない。

確かに、彼の晩年の作品はもはや完成されていて、これ以上書くものはなかったのかもしれないが、これだけの偉業に対して、あまりにもかわいそうな最後の数年だったのだろうと思ってしまう。

アインシュタインのことばで「死とはモーツアルトを聴けなくなること」というのがあるが、彼も特殊相対性理論から一般相対性理論にたどりつくまでの10年ほどの間、だいぶお世話になったのであろう。

47:44

2004-07-07 21:35:23 | 市民A
21041fd1.jpg47対44。これは米国大統領選挙でのケリー対ブッシュの支持率である。数ヶ月前は45対45と言われていて、それからすると浮動票はケリーに流れつつあるということか。

まあ前回の選挙の時も、結局はフロリダ州のある町の奇妙な投票用紙の結果、思いもかけない醜態を演じたわけだが、今回も僅差になるのだろう。しかし、現在、有利といわれるケリー、いわゆるポピュリストである。いままで米国人の良識はポピュリストを避けているわけだが、今回はどうなるのだろう。

一方のブッシュを支えるのはネオコンという超保守主義。ポピュリスト対ネオコンというとんでもない選択になっているのかもしれない。良識的な米国人は互いの陣営の副大統領候補であるエドワーズ対チェイニーの方が大統領選にふさわしい候補と思っているのではないだろうか。  

東アジアでは期待できないFTA効果

2004-07-06 21:37:48 | MBAの意見
オーストラリアとタイのFTA(自由貿易協定)が調印された。FTAに熱心な国とそうでもない国があり、メキシコ、チリ、タイ、オーストラリアなどは積極派であり、日本は消極派である。むしろWTO重視派に近い。しかし、世界的には、EU、NAFTAなど域内自由化の流れが強く、日本国内にも韓国、タイ、中国などとのFTAを推進すべきとの論が強い。

現在、FTAを締結したのはシンガポールとの間だけである。しかし、二国間の自由貿易は国際経済学の常識では「比較優位財の生産に特化」してゆくと言われるのであるが、東アジア域内の各国は日本をトップランナーとした雁行型発展を遂げているのであり、比較的相似型の経済構造にある。例えば日韓を見ても、得意分野(自動車・IT)や不得意分野(農業)は、共通の構造である。言いかえれば過去の日本とFTAを締結するようになり、ダイナミックな効果は期待できないといえる。

また東アジア各国は歴史的に隣国との戦争を最近まで続けており、隣国の得意分野と比べ、単純に自国産業の不得意分野を切り捨てる国民的合意は得られないのである。  

都立日比谷図書館にて

2004-07-05 21:39:22 | 美術館・博物館・工芸品
98883030.jpgきょうは、昼休みを利用して日比谷公園の中にある都立日比谷図書館に寄る。

この図書館、新刊書は少ないが、結構専門的な蔵書を借出しできる。同じ都立図書館でも広尾の中央図書館は館外持出しできない。個人的な差があるかもしれないが、私の場合、借りた本を読まずに返すことはめったにない。買った本は読まないことが多いのだが、借りた本には期限があるからか、結構、読んでしまう。

きょうは、コンピューターのセキュリティ関係の本を返し、コンピューター将棋の本とゴルフ場の設計で有名なピート・ダイ氏の著書と老舗企業の経営の本を借りてきた。そして余計な話だが、地下一階のレストランの380円のラーメンと300円のもりそばの味は建物同様に昭和40年代?の古典なのである。ここと、みなと図書館、青山図書館、あざみ野の山内図書館あたりを主に利用している。(その他、調べ物では国会図書館や、JETROなども使っている)  

REIT人気の裏に隠れる攻防

2004-07-04 21:40:42 | MBAの意見
f8835a20.jpg低金利政策が続く中、不動産投資証券、いわゆるREITがこの1、2年人気を集めている。

なにしろ、銀行金利は天文学的な低金利なのに対し、REITは4%台の配当金で、現在13銘柄が上場されている。特に年金運用などの機関投資家や個人投資家などに人気がある。

が、REITは東証で取り扱っているれっきとした株式なのである。個別銘柄を見れば、結構大きな値幅で動いている。さらに詳しくみれば、それぞれの銘柄により配当の権利日が異なるのだが、その1ヶ月前から権利狙いの上昇が始まるのだが、確定日、あるいはその少し前から配当金以上の急落をするのである。これで見え隠れするのは、プロとカモの戦いということである。配当金狙いの素人投資家を決算月のズレを利用した機関投資家がうまく料理しているのがわかる。結構、銘柄によっても成績の差が大きいので、身軽な投資スタンスが必要である。

有名なC銀行で買った米国REITファンドもあっという間の数ヶ月で10%上がったもののその後、急落。ファンドマネージャーからも「今年は金利上昇のため、期待できない」と超弱気のコメントがきているのだが。  

ホームページのリニューアル

2004-07-03 21:42:14 | 市民A
35e98b33.jpg ホームページをリニューアルしました。

HTML語と何本かのフリーソフトだけでは、壁があるのを感じ、「IBMホームページビルダー8」で作り直しです。しかし、本当に多機能満載。これではトライアンドエラーというわけにはいかず、テキスト頼みの方がいいですね。

プロフィールとダイアリー、将棋とMBAコーナー詩集とギャラリーという構成。時間がかかります。
将棋の部分はまだ先になりそうなので、それ以外をとりあえず作ってから、徐々に修正する予定。

一軒目が犬小屋なら、この2軒目はプレハブ住宅かな。
本物の家も3軒建ててやっと満足に近付くと言われるようなので、ホームページもぼちぼちやっていきます。
*この時期、blogとホームページと二本立てで始めました。もちろんホームページの中の日記をブログと同じにしてリンクしてもいいのですが、今一つ先が読めないので・・・

製薬産業の鬼っ子ブラジルに見習うものは

2004-07-02 21:43:25 | 市民A
きょうは、専門外の話。BRICsの一つであるブラジルの製薬業界のことである。鬼っ子であるのは、先進国で特許切れとなったエイズ治療薬をジェネリック製剤として、1/10近い安値で世界中で販売しようとしていながら、逆にタイなどからの逆輸入には禁輸をしたりしてちょっと身勝手のように見える。裏返せば、国家が製薬産業を保護育成しているのである。

さて、きょうの話題は、ジェネリックではなく新薬である。アマゾンを抱えた熱帯雨林のジャングルは、未知の生物や遺伝子の宝庫であり、ブラジル政府は厳重に生命体の管理(持出禁止)をしている。今後、急増が予想される人口大国は産業発展の大きな柱と製薬産業を考えているのである。遺伝子を制するものは・・・というわけである。

一方、日本でも、江戸時代末期に蝦夷地開発の一つの大きな目的として新漢方薬の発見があり、何人かのチャレンジャブルな漢方医たちがアイヌ人との抗争の危険を省みず、移住していった(これは歴史的事実の記述で、アイヌ差別を正当化するという政治的意図はまったくありません)。
現代で新資源という意味では、海洋資源である。陸地と異なり海はつながっていて資源の独占が難しいという問題はあるのだが、領海・経済水域の広さと多様性はきわめて大きく、陸上遺伝子のブラジルと双璧となるべき海洋遺伝子立国を目指すためには、厳重に管理したり、基礎研究に対する国家による支援などを考えていくべきである。