シティバンクのカラー

2004-07-16 21:16:57 | マーケティング
7fd3400c.jpgシティバンク(かっこよく発音すれば「シリィバン」だが)日本での評判は今ひとつである。ネットカフェで暗証番号が盗み読みされ、ネット引出し被害が起きた事件の際、責任逃れをしようとした件、横浜支店長が数億円を顧客から騙し取った事件。最近ではシンガポールで顧客データ輸送中の紛失など、問題が多い。そして、保険やカードなどの勧誘DMが多いのである。

 一方、店舗や銀行のイメージといった評価は結構高いのである。そういったトータルイメージを形成する一つにカラーがある。藍色と青が境界線を微妙にまぜながら、清潔かつ高級感を引き出している。

しかし、この色、日本人ならどこかでなじみのある色ではないか。
そう、葛飾北斎の富岳三十六景。富士の背景となる江戸の空の色である。
 しかし、この藍色、北斎が好んだからと言って日本製ではないのである。北斎に先んじること僅か前にヨーロッパで開発された新しい色彩なのである。当時の呼び方で「ベルリンブルー」。わずか10年ほどで北斎の手にかかり、あの美しい赤富士を引き立てるのである。日本では、「べろ藍」の名で呼ばれていた。べろはベルリンである。

芸術の国境を越える伝播速度は、おそろしいものがある。


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