屋形船かと思っていたら

2022-04-28 00:00:50 | 災害
「KAZU1」の画像が出回っていて、多くの人は右舷側船首部に見える放物線状の筋に注目し、「亀裂」だ「汚れだ」という論争をしているのだが、一目、船の形が変だという点が目についていた。見た感じ、海面下が小さいというか底が薄いというか。

業界用語で「たらい船」という形で、波の静かな東京湾とか瀬戸内海で運航する船のような感じで屋形船かとも思った。もう一つは、船室が大きいこと。横風の影響を受けやすい。つまり堪航性が低い船ということ。

典型的な例が、セウォル号だ。日本で使っていたフェリーを韓国の会社が輸入し(これにもトリックがあるはずだが)、船室を大きくして、結局バランスを失い沈没した。

関西空港の橋げたを壊したタンカーも、事故の時に散々叩かれたが、事実上、無罪に近い処分となったが、あの船は東京湾専用船だったものを外洋の影響を受けやすい大阪湾に移動させていたことは誰も指摘していなかった。

さらにペンキで塗り固めたような船体から、高齢を疑わせるものだったが、どうも1985年製で37歳、現在が3回目のオーナーで、2016年頃に瀬戸内海の定期船から中古購入したもののようだ。通常償却年数は11年かな、20年で手放す人が多い。37歳とは・・

それで「19トンの船なので救命ボートがない」という文脈は、読み替えると「救命ボートを省くには20トン未満にすればいい」ということになるわけだ。ここでいうトンは計算が難しいが、大雑把に言うと船の重さのようなもの。20トンルールにするからギリギリの19トンにして、さらに鉄製ではなくFRP製にし、喫水線の上の船室を大きくした場合、普通なら下を大きくすべきものを総重量が増えないように、逆に小さくしてしまう。

ところで、社長会見だが、「危なければ船長判断で引き返すことになっていた」というのは海事弁護士の入れ知恵のように思えてならない。そもそも海の上に出たら全部船長判断になるわけで、会社の指示を無視することは当然の権利で認められている。言うまでもないことなのだ。

船首部分が浸水というのが、最初に起こったとすると、例の亀裂が避けて水が入り、船首が下がると、構造的に船尾が上がり、舵もスクリューも海面より上になって、操船不能になったとも考えられる。あるいは先にエンジンが不調で止まって漂流し、岩礁に流され前部の船底が破れた可能性もある。冬に入ってから半年以上稼働しなかった船のエンジンを突然に回しても、さまざまな経年トラブルが起こることがある。万に一ぐらいだが、燃料が低気温で固まっても同じようなことになる。

それと、船員不足が深刻なご時世なのに長崎で働いていた船長がなぜ知床半島にいるのか、何か理由があるのだと思う。船員の給料は一般に固定給と乗船給との合計が一般的なので、憶測だが、そういう理由があったのかもしれない。

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