乗船客を貨物と考えていたのか

2022-04-26 00:00:23 | 災害
「KAZU1号」沈没事件の詳細を調べて、こんな海運業者がいるのかと驚いた。自分も約10年間海運会社にいて、現在の日本の内航海運の安全基準については、ルールを作る側だったが、そもそもルールの精神に同意しないで「事故が起きなければお咎めはない」という考え方の人には困っていた。

まず、一目、船体が小さい。さらには横風を受けやすい箱型の船室とか水面下が非常に小さくバランスが悪いように見える。それとともに救命ボートが必要とされる20トンをギリギリ下回る19トンとなっている。船の重量を軽くするために、FRP樹脂の船体で鉄板はできるだけ薄くしたりする。基準を作ったために、こういうことになる。

東京湾ではないのだから救命胴衣だけでは誰も助けられない。



たまたま事故の翌日、ある旅行会社から旅行のパンフが送られてきた。1ページ目が北海道旅行で2ページ目には知床半島の先端までのクルージングが組み込まれている。パンフ上の旅客船は少し大きい。

そもそも漁船が出港見合わせなのに、走れるはずはない。

昨年、座礁したあとの傷が残っていたとも言われるが、社長は知らないと言っているが、FRPとは浴槽のような素材なので、岩礁に乗り上げれば傷がつかないはずはない。

ただし、事故の原因は、座礁して浸水が始まり傾いたということだけではなく、エンジンが故障して操船不能になり木の葉のように波に浮かんでしまい、岩礁に打ち付けられて船体が損傷した結果、浸水したとも考えられ、そちらの方が考えやすい。

乗組員は船長と甲板員の二人なので、いわゆる機関員がいないので修理できなかったのかもしれない。

万に一つの生還方法は、逆に岩礁の上に自分から乗り上げて岩の上に意図的に座礁する方法があるが、エンジンが止まっていれば何もできない。

しかも知床岬の先はロシアが占拠しているのに、海保が警戒していないということだろう。別の意味で大不安だ。

また、船の切符を買う前に、乗ることになる船舶を見た方がいい。遠目では綺麗に見えても壊れた装備をペンキの厚塗りでごまかしている場合もあるので、真剣に確認した方がいい。

そもそも座礁する例はきわめて少ない。同じ船、同じ船長というのも奇妙な感じだ。一部報道ではGPSと水深や暗礁が書かれた海図を連動させるプロッターが今月27日に取り付け予定だったとも聞く。操船ミスが原因であれば役に立つはずだった。

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