カムイ外伝(2009年 映画)

2024-07-07 00:00:12 | 映画・演劇・Video
白土三平の原作漫画がアニメ化され、さらに映画になった。同じようなタイトルの『カムイ伝』という漫画もあり、こちらも白土三平作。ややこしいのには訳がある。

元々『カヌイ伝』は雑誌「ガロ」に連載されていた。ガロは白土三平が自分の作品の掲示場と考えていた。そのため自分の雑誌なので原稿料がないわけだ。

ということで、『カムイ伝』の主要登場人物のカムイ青年が伊賀忍者の抜け忍として別の雑誌に登場したわけだ。

『カムイ伝』は、カムイの個人史ではあるが、個人より忍者の歴史的存在価値や一般の市民の生活など広い視野の社会描写があるが、『カムイ外伝』はカムイを中心とした人間描写に重きがある。

生活の苦しさから伊賀忍者になったカムイが、忍者の非道さに精神的についていけず、忍者を辞めることにしたが、抜け忍は伊賀忍者にとっては死を意味する。Wスパイのようなものだ。逃げ出したカムイはどこに逃げても追跡される。

追うものと追われるもの。しかし、うっすら感じるのは、カヌイの仲間たちは、たいして戦闘を続けるわけではなく、あっけなく死体になってしまう。松山ケンイチが演じるカムイが強すぎるわけだ。

落ち着いて考えると、忍者たちは必死に戦い続けるのだが、なにかむなしい。明治維新の後の士族のようなことだろうか。