女流棋士の奇策

2007-02-17 00:00:04 | しょうぎ
本来、ドロ沼化すべき、中村獅童と竹内結子の離婚協議は、どちらもキレイ好きなもので、ドロ沼の対岸で対峙したままになっているようだが、将棋界で演じられている「女流棋士独立運動」は、早い話が、離婚協議なのだろうが、いきなり泥沼的になってきた。実際の独立時期は2008年度からということで、現在は、日本将棋連盟の傘下(という言い方が正しくないかも知れない)の女流棋士会が設立した「女流棋士新法人設立準備委員会」と「将棋連盟理事会」が、双方弁護士を加えて協議中である。そして、突然、準備委員会が準備金として寄付金の要請を広く募集開始した。一口5000円(できれば最低二口)で目標額1億円。

女性にしろ、男性にしろ、プロ棋士の集団なのだから、頭脳は明晰で、いろいろな角度で検討した結果、こういう速攻に出たのだろうが、一般人から言えば、唐突感がある。もちろん、事務所を借りるにも敷金がいるし、今後、既存権益の配分交渉の中で、興行権の買取とか金銭がからむ問題が出てくるだろうから、そのための軍資金ということだろうが、一般的には、どういう組織(会社なのかNPOなのか、あるいは社団法人とか・・)を作って、支払うおカネがどういう性質のものか(寄付、出資金、株式、貸付・・・)とか、発表してから集金活動しそうなものなのだが、結構、とまどう。1億と言っても目標だろうから、実際は1000~2000万円程度になるのではないだろうか。(個人的には、もう少ししてから2口位なら付き合おうかとは思う)

そして、分離交渉は、全く進んでないように見えるし、些細な条件(対局室の貸し出し)でも揉めているようだ。将棋連盟にも連盟会長の米長氏にも男尊女卑思想が根強いところが根本的なところだから、数ヵ月後の将棋連盟の新会長選出選挙の後まで、何も決まらないだろうと思える。この選挙の投票権にしても、社団法人の正式な会員である男性棋士と男性退役棋士だけに与えられているということも、独立運動の遠因になっている。つまり、女流棋士と将棋連盟の関係は、将棋連盟が「女流棋士」という資格を認定し、将棋連盟がスポンサーと共催している各種タイトル棋戦への出場権を認可している、という関係だ。

そして、それらのいくつかのタイトル棋戦の収益は、合計でも約7000万円(うち2000万円は経費として連盟が天引きしている)と、主に新聞社がスポンサーの男性棋戦の一新聞社分よりずっと少ない。5000万円を50人の女流棋士で分け合えば、一人100万円にしかならず、ビジネスとして職業にならない。女流棋士の立場に関する議論は、いままでも長く協議が続いていたらしいが、ついに分離話に発展したのだろう。

ところで、先日のアジア大会でもチェスが競技種目に加わっていて、これが男女別の大会になっていた。チェスの世界でも、ゲームの結果としては男性有利になっているのだが、「将棋やチェスは男の方が強い」ということが、結果になっている。理由はいろいろと考えられているが、いずれにしても証明されたものではない。例えば、

1.対局は、体力が必要であり、スポーツのようなものである。朝から夜まで一局の対局をずっと考え続けていくということは、普通の世界で言えば、「狂気の世界」に近い。普通の人は同じ事を丸一日考え続けることはない。基礎体力がなければできない。一例は、歳をとっても急に弱くならない棋士の多くは体力派である。余談だが、羽生四冠が最近、若手や同年代の棋士に重要な対局で敗れることがあるのは、この体力問題ではないだろうかと危惧している。

2.女性の能力は中位分布型であるという説もある。平均的には、男性と女性の差がなくても、女性の場合は平均値に近いところに分布していて、男性の場合は、上・下とも極端な部分にも分布が見られる、という考え方だ。将棋のプロの能力などは、かなり特異的技能であるから、そういった並外れた能力においては男性の方が多い。という考え方である。

3.何らかの原因(アミノ酸とかホルモンとか)で男女で大脳の使い方に差があって、図形認識が得意な右脳と論理認識が必要な左脳を切り替えながら使う能力が男性の方が優れている(あくまでも将棋やチェスの話)。

といった説だ。

結果として、最近は多くのアマチュア大会でも男性、女性別になってきたのだが、まだ分離されていないものもある。

そして、男女の法人が分離された後、何となく、見えてくるのは、

「新聞棋戦→男性棋士」「公開対局、ネット棋戦→女流棋士」というようなスポンサー分けになっていくのでないだろうか。

実際に、ゴルフの世界でもそうだが、男子ゴルファーのプレーを見ても、アマチュア・ゴルファーには何の参考にもならない。ヘッドスピードが50m/s超では、ヘッドもボールも何も見えないのだ。

ただし、読売、朝日、毎日あたりは無理だろうが、日経、産経あたりは無名男性棋士よりは、有名女流棋士の方が購読者数増大効果があるというようなアンケートでもするかもしれないし、一紙でも切り替えがあれば、また大騒ぎになるに違いないだろう、と思う。


0782a7de.jpg前々回の詰将棋の解答から。まず、▲1四香△1三合▲2二香成までの3手詰ではない。そんな問題を出題したら失礼(と言いながら、いつか、そのレベルを出題するかもしれないが)。初手▲1四香に△1三飛と飛車合いで「逆王手」。これに対して、ネット将棋派なら、すぐに取ってから考えるのだろうが、それだと詰まない。3手目は▲2三香成と「逆王手返し」と手が込んでいる。△同桂で飛車の横利きを消して、5手目が▲2四桂。以下△2一玉 ▲2二歩 △同玉 ▲1三香成 △同玉 ▲1二飛と隙間に飛車を打つと詰んでいる。11手詰。




0782a7de.jpg今週の出題は、チェス感覚が必要な問題。5手目に些細な非限定がある。こういう簡単な図は、たいてい、先人が作っているので、同一作があれば、「失礼!」ということ。某新聞カメラマンと違って、意識的な盗用はしないことにしている。  


コメント欄に最終手と手数と酷評を記入していただけば、正誤判断。

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1 コメント

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Unknown (おおた 葉一郎)
2007-02-17 18:24:04
ryuさん
です。
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