国技?あいまいなつけ、横綱制廃止を

2007-08-16 00:00:16 | スポーツ
本来、「八百長(注射相撲)疑惑問題」や「時津風部屋リンチ殺人疑惑」という重大問題があるというのに「朝青龍処分問題」が沸騰している。

すでに公なことばかりだが、朝青龍の問題だけを、考えてみる。

まず、仮病疑惑。第五腰骨疲労骨折というのは、元々怪しい。砕けたわけじゃなくて、一般人の腰痛みたいなものだろう。1週間もすれば相撲ぐらいとれるはず。尺骨の骨折は、三重県の病院の判断は、「入院手術の場合」6週間という意味だったらしい。医者に行かずに治すなら、安静にするだけだろう。

dca354a7.jpgサッカーのこと。まず、巡業というのは、力士が好き嫌いで行く行かないを決めるわけじゃなく、公式行事。江戸の時代は、「1年を20日で稼ぐいい男」と言われた力士だが、現代は多忙だ。だいたい江戸時代は一場所10番で年2場所。現代では15番×6場所=90番だ。さらに、年中、働かなければならない。引退力士がいると、引退興行の日があって、これまた力士全員出場で1番取らなければならない。そういう公式行事をしないで、サッカーに出場。これも、始球式でボールを蹴る程度ならいいのだが、熱くなって走り回り、ダイビングヘッドまでしている。見た感じ、既に骨のヒビは感じられない。それと、すぐにカッとする性格であることが見えてしまう。とても親善ゲームとは思えない張り切りぶりだ。さらに、サッカーと相撲は使う筋肉が違い、体の重心が普通人よりずっと上にある力士がプレーすると、大変危険だ。早い話が倒れやすく、その場合自分が怪我をするだけじゃなく、近くの人間が巻き添えになるだろう。

協会の処分。早い話が「引退勧告」なのだろうが、そう言わないところに日本的美徳を残したら、「本人も」「親方も」やめる気がなく、混乱しているということだろう。もともと最高権威が横綱なのだから、弱くなるだけじゃなくても不始末があれば引退が当然、ということだろう。処分の中で、自宅と自分の部屋と病院以外いかないように、というのを「軟禁」「憲法違反」と考えるところだが、どうもミソは自分の部屋(高砂部屋)ということのように思える。何しろ、この横綱は最近は出稽古と称して2日に1回だけ他の部屋に行っていただけらしく、自分の部屋で稽古していなかったらしい。それも、他の部屋の稽古が終わった頃合を見計らって突撃していたらしく、「横綱の権威の濫用」で他の部屋は困っていたらしい。稽古で疲れきったところに横綱がやってきて、リンチまがいの大暴れをしていく。そして、高砂部屋には、彼の手ごろな稽古相手はいないのである。

本人の考え。おそらく、処分に対して、文字通り受け止めているだけなのだろう。理事長の望みである「任意引退」とはまったく思ってもいないだろうし、だいたい、何年も前から、色々と批判されていることが、「全然わかってない」ということだろう。反省ではなく、「失敗したなあ」と思っていて、むしろ「怒り」と「対策」の混じった心理なのだろう。

交友関係。形成外科医とか馬主、またマネージャーとか取り巻いて、肝心の親方の序列はそれ以下。立て篭もっているマンションには、若い衆を呼びたてて、うさを晴らしているようだ。どうして、こんな師弟関係になったかと言えば、いまや朝青龍がいなければ、高砂部屋には関取がいなくなってしまう。つまり部屋の存亡は親方ではなく横綱が握っているからだろう。なにしろ部屋の数53に対し、関取は70人。出世率の高い外国人も、1部屋1名に制限され、部屋の中では、外国人力士が神様のようにちやほやされる。


国技と言えるのか

まず、普通の人は相撲なんか取らない。危険すぎる。それこそ、体中がヒビとカサブタになるはずだ。完全に観賞用のスポーツになっている。それも、かなりの商業主義だ。前述したように53の部屋が5大勢力に分かれて70人の関取と幕下以下の力士を抱える。どうしても強い力士の確保が第一になり、世界12カ国から力士が供給されている。何が何でも、勝てば官軍なのだ。朝青龍が強くなったのは、放任主義のせいと言われるが、強くない外国人はすぐに交換しないと枠は1名なのだ。

元々外国人といっても、高見山(現東関親方)、小錦(現コニーちゃん)、曙(現まけぼの君)といった先駆者は、米国人。要するにサミットG7国民である。ほぼ、日本と同じ価値観の国である。その後、角界に入ってきたのは、「資本主義」「法治主義」「ジャーナリズム」といった文明と疎遠だった国なのである。「不文律」など通用しないから、「事実上の引退勧告」など意味が通じないわけだ。いままでの口頭注意だってそうだ。花道の座布団を蹴飛ばしたり、髷をもって振り回したりしていいはずがない。それなのに、親方になるには、帰化して日本国籍を取得するというような無理を言うから、わけがわからなくなる。国技なら、日本国籍力士だけにすべきだろうし、そうじゃないなら、外国人親方を認めるべき。というか、親方が多すぎるから、部屋が細分化され、不効率になっている。


横綱制度は必要か

史上最も強い力士は誰か、と言えば、「雷電為右衛門」とは、ほぼ間違いない史実だろう。生涯254勝10敗2分14預41休。優勝回数27回。年2場所で27回の優勝である。年6場所になった後は、大鵬32回、千代の富士31回というのがある。1764年生まれ、23歳で関脇付け出しでデビュー。29歳で大関になる。そして1811年春場所全休で引退45歳ということ。そして千葉県の佐倉市で1825年亡くなる。61歳。

しかし、雷電は横綱にはならなかった。相撲界最大級の謎とされるのだが、当時、横綱は峠を越えた大関の名誉職のようなものだったらしい。おそらく、自らの体力に不安を感じ、突然引退したのではないだろうか。引退したからといって記録がなくなるわけでもなしだ。

朝青龍だって、強い大関というなら、こんなに「品格」なんて理解できないことばで攻められることはなかっただろう。現在の二場所連続優勝で横綱というルールを廃止し、大関在位50場所及び入門後10年というような形での名誉教授のようなルールにしておけば、今回のような異文化衝突の事件にはならなかったのではないだろうか。


ところで、今回の事件だが、既に協会は「白鵬・琴光喜」という新スターを得ているのだから、一刻も早く「引退届」が欲しいだろうし、近く行われるだろう八百長裁判の証言台に立たせることなく永久にモンゴルに帰ってほしい、というのが真の希望なのだろう。

個人的には、八百長問題に決着をつけてからモンゴルに帰ってほしいと思っている。

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