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さて、戦後の日本の消費ステージには、最初に「三種の神器」が登場した。洗濯機、炊飯器、冷蔵庫だ。この3種はいずれも、家事を「便利」にするという性格である。いわば、「生活の向上」というレベルだ。
次に登場したのは、「3C」である。クーラー、カラーテレビ、クルマ(カー)だ。よく考えると、生活に「快適」を持ち込む製品であることがわかる。「便利」から「快適」に昇格したわけだ。
次が問題で、私のこどもの頃、小学校の校長が教えてくれた話があった。次は「3P時代」だというものだ。で、3Pとは何だというと、プール、別荘(ペンション)、飛行機(プレイン)ということだ。なるほど、日本人がアメリカ人になれば、そうなったかもしれないが、その時代は来なかったし、今後もないだろう。で、その3Pをよく考えてみると、「欲望製品」であることがわかる。「便利」「快適」から「欲望」に発展するはずだった。まあ、実際、越後湯沢なんか別荘だらけになったのだがあっという間に崩壊した。
それでは、一人当たりGDPでは米国とあまり変わらないのに、なぜ、「欲望製品」の時代が来なかったのかということだが、私見でいえば、日米では、「欲望」の種類が違うのかなって思っているのである。おカネがあったら、飛行機買いますか?庭に穴を掘りますか?
それでは、日本人は、「欲望」という字を知らないスクエア人間ばかりなのかといえば、違うのだろうと思う。これも例にならって3種類並べるとすると、日本人の欲望は、
1.貯蓄、住居方面
2.旅行・レジャー方面
3.コミュニケーション系
ではないだろうか。「薄型大型テレビ(住居)」「デジカメ(旅行)」「DVD録画(趣味)」「新世代携帯(コミュニケーション」などを「新三種の神器」と呼ぶなら、まさに消費者は日本的には、「欲望」段階に来ているとこじつけることができるのだろう。
ところで、未来予想は難しいという例だが、これもこどもの頃の科学系の書籍に書かれていたのだが、ベーリング海峡を埋め立てる計画が書いてあった。アラスカとロシアの間をせき止めると、冷たい海水は太平洋に流れこまず、シベリアは緑の牧草に変わるという話だ。しかし、冷戦中なのでその計画は宙に浮いているとのことだった。ただし、結果として日本は熱帯になるだろうし、北極の冷たい水はまとめて大西洋に流れ込むことになり、グレートブリテインは氷河に包まれるだろう。冷戦でよかったのかもしれない。
第二パナマ運河というのもあった。パナマの山岳地帯を水爆を10発くらい使って吹き飛ばして、運河にしようということだったが、パナマがアメリカから独立してしまったので、しばらくは無理だろう。
遺伝子を改造して、新種の植物を作る話だけは実現した。逆に、今考えられている将来の予想も、途方もないものも多いのだろう。
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