ギリシア神話への誘い(4)

2011-01-27 00:00:54 | 歴史
6回シリーズのギリシア神話講座の4回目。

まず、映画「黒いオルフェ」の断片を観る。もともとリオのカーニバルで起こる歓喜と悲劇。そして人間の持つ本来的な悲しさ。

すべてが、ギリシア神話そのものだそうだ。一方に完成された調和。一方でドロドロとした情念。そして、有限の命しかない人間と、無限の寿命の中にある神々。確かに、何度も何度もギリシア神話を聞いていると、そういうことが見えてくる。モーツァルトの人生と同じじゃないだろうか。ヘミングウェーとヘンリー・ミラーとか。

今回は、9人のムーサから。女神である。人間のあらゆる知的活動をつかさどる9人である。おもしろいのが、9人の担当割。ギリシアでは、何を知的活動と認定していたのだろうか。順不同に次のとおり。

叙事詩、歴史、抒情詩、喜劇、悲劇、合唱、独吟、讃歌、天文。

日本の古代では、和歌とか蹴鞠とか貝合わせ、双六、占星術、鷹狩りとかそういうものだろうか。歌を歌ったり劇を演じたりとギリシアの知的活動は忙しい。



そして、次がプシュケ物語。これは話せば長くなるが、美女プシュケに対するアフロデティの嫉妬から始まった神と人間の物語。途中で、「夜眠っている姿を見てはいけない」とか「冥府から出るまで開けてはいけない」と言われているのにこっそり小箱を開けてしまう話なんかは日本にもある。


次にトロイア戦争だが、この発端がやはり美女の争い。

ある時、嫉妬深い女神であるエリスは、結婚式に呼んでくれなかったはらいせに金のリンゴをパリスという羊飼いに渡して、「3人の美女の中でもっとも美女に渡すように」、ということになる。



ヘラとアフロデティとアテナイ。この場面を描いた絵画によれば、3人の美女はオールヌードになっている。美人はつらい。一応、神様なので、パリスに逆提案する。つまり、賄賂。

まず、ヘラはゼウスの正妻らしく、自分を選んでくれたら「権力」を与えてくれる約束をする。そして、アフロデティはギリシアで最も美しい女を与えると約束する。そしてアテナイは深い知識と勝利を約束したのだが・・・

権力、美女、知識。普通の男が選ぶのはもちろん「美女」だろう。

そして、パリスはアフロデティを選び、お返しにギリシアのある国の王女がプレゼントになってしまう。


そして、ギリシアとトルコが海上の制海権をめぐって攻防を繰り広げ、トロイの木馬が最後に登場する。そしてシュリーマンの話をやって終わり。


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