移民の世界史(ロビン・コーエン著)

2024-06-19 00:00:16 | 歴史
著者は南アフリカの社会学者。人類の歴史を、人の移動という観点で捉えている。この本の現代は「Migration」となっている。この単語の前にeをつけたemigrationは国外への移住のことでimをつけたimmigrationは海外からの移住のこと。



いうまでもなく、東アフリカで誕生したホモサピエンスはアラビア半島を経て、北回りや南回りで世界中に拡がっていった。途中でネアンデルタール人とデニソワ人という近縁の人類と交配して今に至っている。

つまり、ずっと東アフリカに住み続けるほんの少しの人たちを除けば、世界中が移民ということもいえる。

まず第一部が近世に近づく前の人類の移動について、
出アフリカ、探検家たち、宗教、遊動民、ロマ、太平洋諸島、奴隷貿易、インドの年期奉公、帝国主義、巡礼

そして第二部は
 アイルランドの飢饉、南アフリカの金鉱山、オーストラリアの囚人、アメリカへ、ユダヤ人、追われたパレスティナ、英連邦内での移動、トルコからドイツへ、ベトナムのボートピープル、ソ連解体、カリブ海内での移動、華僑

第三部は現代人の移動
 中国の国内移動の禁止、インドとパキスタンがそれぞれ独立。労働力の輸出国、セックスワーカー、政治的難民、労働力不足

第四部は未来へ向けての予測として、
 留学生、結婚、リタイア後、ツーリズム、こども、国境、拘留や送還、そして気候変動。

ところで、本の表紙の地図には日本が含まれていない。最新の研究では日本人のルーツは複数のルートで日本にやってきた人たちが混じり合ったものということはわかっているようだが、本書の中に様々な移民の形態のカテゴリーが書かれているが、なぜ、日本列島にやってきたのか。ほぼわかっていない。というのも大陸と日本をつなぐリンクにあたる種族が消滅しているからだ。つまり滅亡したわけだ。日本に来るのが正解だったわけだ。

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