もし僕らのことばがウィスキーであったなら(村上春樹著)

2020-05-22 00:00:11 | あじ
村上春樹が、ウィスキーの会社から受託した仕事として、本場のスコットランドのアイラ島とアイルランドの旅の記録として書かれている。

当初は、その作品の長さからして、一冊の本ではなく、別の短編などと束ねて出版しようと思っていたものの、こういう目的がはっきりしていた仕事と組み合わせるような巡りあわせがこないので、独立させ、写真満載の本になったということだそうだ。



もしものことを考えて、多めに写真を残したという計画性はすばらしい。ウイルス対策の司令塔に推薦したいぐらいだ。


内容は小説ではなく、旅行記なので、とやかく評論するようなものではないが、シングルモルトの王様のアイラ島の人たちの状況には、やや危機的な人口減少がおきているらしい。いずこも同じだ。

アイルランドのウィスキー(いわゆるアイリッシュウィスキー)も様々で、著者が推薦するのは、食事前に飲むキリっとしているのは、ジェイムソン、タラモア・デュー、ブッシュミルズ。食後は、まったり系のパディー、パワーズ、ブッシュミルズ・モルトだそうだ。

そういえば20年ほど前によく通っていた虎ノ門のバーにタラモア・デューをキープしていたのだが、そのうち、「これを飲むのはおおたさんだけだから」と言われて仕入れてくれなくなり、呪いをかけた結果、閉店となった。


それなら今どきながら、春樹氏推薦の6種のアイリッシュウィスキーをまとめて6本大人買いしたらいくらになるのか。通販サイトで700mlボトルのプライスを調べてみる。

まず、食前お勧めの3本だが、おおむね1800円~2200円程度。そして食後のキリっと系の3本は3500円前後だ。税込みで2万円弱。ゴルフ自粛中なので、買えないわけではない。といっても非課税の10万円入手後だろうか。



ところで6本の中の一本である「パディ」だが、ラベルにアイルランドの地図が描かれているのだが、英領北アイルランドは存在しないことになっている。アイルランド人は、英国からスコットランドが独立するタイミングを慎重に見計らっているのだろう。(スコットランドの独立で大混乱→時に乗じて北アイルランドをアイルランド領にする。怒ったイングランドがアイルランドを攻撃。手薄になったイングランドをスコットランドが征服する)