郵便料金

2019-08-29 00:00:06 | マーケティング
先日観た映画(DVD)『ファーゴ』は1996年の映画で、ある大量殺人事件も小さなキッカケから始まるという筋書きで、最後は妊娠中の女性警察署長が推定容疑者にピストルを浴びせて解決するのだが、この女性警察署長の夫が画家なのである。たいして有名ではない画家なのだが、殺人事件が解決した後の夫婦の会話の中で、自分が書いた絵が3セント切手の図柄に採用されたと妻に語り始める。

画家によれば、「3セント切手では悲しい。29セント切手でないと、誰も切手を見てくれない」ということになるが、妻は「郵便料金が上がれば少額切手が約に立つから」と慰めるシーンがある。

ということは、米国の郵便料金は29セントで、値上げされると32セントになるということだろうか。日本でも10月から郵便料金が値上げになる(はがき:62円→63円、手紙:82円→84円)。こうなると買い置きのハガキや切手に少額切手を貼って対応する必要があるので、1円、2円の切手が必要になる。



ということで、日、米、中の郵便料金を調べてみる。

まず、米国:代表的な1オンス(約28グラム)以下の封書が33セント(約35円)である。1996年に29セントが現代では4セント上がっただけである。画家の描いた3セント切手はあまり役に立っていないようだ。

次に、日本:25グラム以下の封書が82円で10月からは84円。割高だ。

そして、中国は、20グラム以内で1.2元(=15円)だそうだ。ずいぶん安い。

では、この郵便料金だが、なぜこんなに国によって違うのだろうか。たぶん、人件費と物流費が異なり、扱い量も大小の差があり、その結果なのだろう。日本国内の物流費は極めて高い。

ところで、二国間の郵便料金だが、万国郵便条約というのがあって先進国からの料金が高く途上国からの料金が安くなっているのだが、トランプ大統領が条約からの離脱をちらつかせている。要するにネットで買い物をしたあと送料がかかるのだが国内業者からよりも中国からの送料の方が安い、と言うことらしい。しかし、よく考えると、郵便料金を値上げするというのは一見では送る方の負担が多そうだが、そもそも送る方にも受け取る方にも目的があるのでどちらも困るということになるはずだ。