復筆したトマス・ハリス

2019-08-21 00:00:23 | 書評
新潮文庫からトマス・ハリス(79歳)著『カリ・モーラ』が刊行される。13年ぶりの新作。

過去45年にわたり、一連の不気味な小説で読者を震え上がらせてきた。さらに、それらはことごとく映画化され、累計5000万人の彼の読者の何倍かの数の人間に恐怖と「ハンニバル・レクスター」という小説史上に名を刻む悪漢を記憶させた。

彼に運悪く狙われたものは、恐怖の限りを味わわされた末、皮を剥がれたり、脳みそを生きたまま食われたりするわけだ。いわゆる「猟奇」をはるかに通り越している。

さらにデビュー作『ブラック・サンデー』以降、公式のインタビューはいっさい受付けず、周囲の人たちしか彼の実像を知らなかったことから、さぞ気持ちの悪い生活を毎日続けているのだろうと思っている人も多いだろう。朝昼晩の食事には動物の生き血がかかせないとか・・



ところが新潮社の書評誌『波』には、新作『カリ・モーラ』の刊行記念のインタビューが公開されている。本作のクライマックス・シーンの舞台はマイアミ。インタビューはマイアミで行われた。場所は、動物保護センター。傷ついた動物たちが運ばれる場所を、彼はよく訪れるそうだ。

インタビューを読むと、どうも質問は、新作にハンニバル・レクターが登場しないのはなぜか、ということにこだわっているようだ。というのも、今回は麻薬王の話だそうだ。さらに地下金庫に眠るはずの金塊争奪戦があるようだ。ただ、臓器密売業者も登場するので、何らかの臓器狩りに話があるかもしれない(たぶん、心臓だろうと予感)。カリ・モーラは邸宅管理人の名前で、善意の人物。麻薬と金塊と臓器をめぐる戦いの中で、彼の運命がどうなるかということらしい。



怖くてしょうがない著者だが、結果として彼の小説は全部読んでいるわけで、どうなるのかな・・

なお、インタビューに今まで応じなかったのは、インタビューしなくても本が売れていたからということらしい
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