エアコンの定価

2018-06-26 00:00:21 | マーケティング
自宅のエアコン工事をした。実はリビングと寝室の一台がツイン(室外機1台)になっていて、しかも1台は天井埋め込み型で、1台は壁の中に配管が作り込まれている。17年経っていて、細かな故障があったり、リモコンが誤作動したりしていて、部品供給も厳しい状況が近づいていた。しかも近隣の電気店はP社の特約店なのに、ちょっとした修理を頼んでも地域独占企業なので法外な料金を請求するし、P社製品を買うと定価の1割引きで大きな顔をする。

といっても大工事になるし、そもそも天井埋め込みエアコンは量販店の店頭には並んでいない。作っているメーカーも限られているし、機種も少ない。

ということで、親しい友人で空調工事の大手に勤務している男性に相談してみる。

まず、買い方は量販店数社にいって見積もりを複数取ることを勧められた。メーカーとしては三社がいいということだった(D、P、M)。私の事前調査では(D、P、H)。私の選定のポイントは、10年以上はエアコンから撤退しないメーカーという点。友人の選定理由も同じようだ。ちなみに現在はP社製(当時はN社)。

そして、色々と各社の機種を調べていると、現在と同じ能力の製品の定価を調べると、室内機2台と室外機1台と工事費(屋内配管は現在の配管をそのまま使用)の合計は、ほぼ1百万円にもなる(というか消費税があるので、さらに増える)。一応、その定価の半額程度はエアコン交換用に積み立てていたのだが。

ということで、ネット上で安く買う方法を調べてみると、各社ともエアコンは上中下と2~3グレード発売していて、各社ごとグレードごとに新機種の発売時期が異なり、発売直前の旧機種が安いというようなことが書かれている。といっても同じ時期に見積もり合わせをしようかと思っているのになかなか難しい。

**ここから先はD社とかP社とかでは営業上まずいだろうから、A社というような書き方にする。A社がどの会社かは注意深く読まないとわからないはず。

ということで、近くの量販店に行く。量販店ビッグ5というのは、ヤマダ、ヨドバシ、ビック、エディオン、ジョーシンだそうで、そのうち4社の店舗が近くにあるが、ちょっと策を練っていた。まず、量販店にはその店員もいれば、メーカー系の出向社員もいるわけだ。その社員からすれば、自社の製品を売りたいわけで量販店にそう強い義理があるとは思えない。もしかすると、量販店マージン分を値切っても自社製品を売る気になるかもしれないわけだ。

ということで、A社のハッピを着た出向社員を探すことにした。何しろ、エアコン売り場でエアコンでなく社員のハッピを探すという奇策のわけだ。ということで声を掛けた二人の店員を無視してA社のBさんと話をすることになる。というのも、自宅に来ないと機種も決まらないし、要するに店頭では価格交渉にはならないのであるが、Bさんは、他の店員に聞こえないように「5割は・・・・」と謎のコトバをささやくのである。

ということで、実際に見積もりに来たのも全部A社関係者だけ。なんとなくメーカーあるいは販売子会社からの直販になるのかと思ったのだが、最終価格は量販店の方から連絡があった。5割引きではなく、さらに1割ほど安い感じだ。ただ、量販店には僅かな口銭しか入らないらしいのでポイントはないそうだ。

ということで、「定価」って何なのだろうと思うと、冒頭に書いたメーカー特約店のようなお年寄り向けに1割引きで売る電器屋さんのためなのだろうということになるのだろう。

そして、やっとのこと梅雨の合間に工事が終了。工事完工書に自筆サインをする時に、サイン欄の一番上の段が、「住所」であるのは当然として、二段目は「氏名やお客様名」ではなく「お客様会社」と書かれていて、三段目には「ご担当者様ご氏名」となっていた。法人価格が適用になったようだ。