北村憲一「詰将棋八景」

2018-06-09 00:00:30 | しょうぎ
七手詰集である。少し前に「七福神」という詰将棋集を発表したのは、初型盤面七枚という限定だったが、今回の「八景」は初型盤面八枚。となると次は初型九枚だろうか。命名が楽しみだ。辞書から推測すると、『九天(全宇宙)』とかいいかもしれない。『九死』とか『九州』とか『九回裏』とかはないだろう。予想外の『ナイン』とか。ベートーベン以降、交響曲に第九とつけるのは不吉という考え方もあるが、だからといって『10』という数字も、「最後」を意味するらしく、良くない。「ナンバーテン」というナンバーワンの逆の意味の俗語もある。

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ところで、七手詰というのもかなり難しく、手筋は出尽くしているようなそうでないようなところもあり、さらに枚数制限を付けるとは私にはとても考えられない。本作では、一題、きわめて難しい作品があった。第73問

いわゆる超難解作。二日がかりになった。自分は他人の新作を直ちに公開する気はないので、誰かが広く知らしめていただけないかと期待する。

なお北村氏は、今月の詰将棋パラダイス誌に北海道の古棋書のことを書かれている。函館出身の花田桂英少年の詰将棋を発見されているようだ。なお、花田桂英少年は、後年は花田長太郎として大活躍。弟子の弟子の弟子がひふみんである。


さて、5月26日出題作の解答。

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飛、銀、桂の捨駒連発(桂は取れない)で危険地帯を作り出す。銀捨が見にくいかもしれない。普通は下から飛車を打って詰むのだが、うまく詰まないので、追いかけることになる。運良く拾った金で最後の捨駒にあてる。潔くない図だ。

実は、詰め上りが、八種の駒が1枚ずつになるが、あまり気が付かれないはず。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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「無しゃっきん図」であり、金銀のない「預金ゼロ図式」でもある。

バラエティ番組のように、色々詰め込んでみた。密着打ち、合駒選択、駒取り、捨駒。四つの手法の順番や回数は秘密だ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。