エニグマ(映画 2001年)

2018-06-04 00:00:56 | 映画・演劇・Video
第二次大戦中にドイツ軍が使用していた暗号が「エニグマ」。この暗号解読をめぐってのミステリー映画。

enigma


実は、初期のエニグマはポーランドが解読していたのだが、その後、仕組みが高度化する。さらにポーランドが独ソによって山分けされたため、次の解読は英国で行われることになる。そして、なかなか解読に苦労しているうちに、英国にある対独暗号解読組織内から解読情報がドイツに流れていることがわかってくる。

つまり、英国の暗号解読チームの中にスパイがいる。

もう一つ、ソ連による非人道的なポーランド人捕虜の大量処刑の証拠がドイツ軍によって発見され、エニグマ解読によって英国人(チャーチル)や米国人(ルーズベルト)にも伝えられるが、ロシアを叩くと戦局に影響すると言って、握りつぶしてしまう(カティンの森虐殺)。

さらに魅力的な魔性の女(ケイト・ウィンスレット)の存在が徹底的に怪しい。

まあ、そういうピースを組み立てて、エニグマの謎が少しずつ解明されていきつつ、スパイ探しも佳境に入っていく。そして、若き数学者がスパイを追い詰め、スパイは英国海岸に近づいたUボートに向かいモーターボートで逃げ出すのだが、Uボートもモーターボートも数学者も一緒くたにして英軍の爆撃が行われる。

味方もろとも敵艦を爆破しようというのは「るろうに剣心 伝説の最期編」と同じだ。同国人捕虜がいる街にかまわず原爆を落としたりするのと同じだろう。

ところで、本映画はストーンズのミック・ジャガーがプロデュースをしている。どうも骨董品のオークションで中古のエニグマ通信機を購入したことから熱が入ったようだ。そういえば、ケイト・ウィンスレットと顔が似ているような気がする。


なお、2014年に『イミテーション』という同じくエニグマをテーマとした映画が公開されたが、いささか趣は異なる。