ラーメンガール(2008年 映画)

2018-06-15 00:00:49 | 映画・演劇・Video
アメリカ映画(ワーナーブラザーズ)だが、出演者のほとんどは日本人。スタッフも監督が米国人でその他は日本人という奇妙な作り方になっている。米国人女性(演:ブリタニー・マーフィー)が日本に来て、悲しい出来事(失恋)のあと、ラーメンを食べたところ、あまりにも旨いため、ラーメン店に弟子入りを決意する。

ramengirl


一方、店主(演:西田敏行)は息子が後を継がず、フランス料理の修行にパリに行ってしまい、後継者問題を抱えていた(この事情は、最後の方で明かされる)。ということで、弟子に対してパワハラ的な態度でラーメンの味だけでなく、経営の基本を教える。

といっても日本人でもすぐには秘伝の味は見つからないので、なかなか上達しない。ということで、店主は何人かの達人に引き合わせることで、「おもてなしの味」を求めていく。

このあたりは、伊丹十三の「タンポポ」や「武士の献立」などに共通する構造だ。

まあ、そういうことで、昭和式の店舗は改装されて「ラーメンガール」という新型店舗になるわけだ。

映画の中では日本人は日本語を話し、アメリカ人は英語を話し、あまり会話が伝わらないことになっているのだが、シナリオはどのように書かれているのだろうか。まあラーメン店の中での会話なのだから言語が違っても大部分は伝わるのだろう。

しかし、この映画をアメリカに持って帰っても、パワハラ指導法とか子どもに店を継がせるとか、その他の日本的な習慣を理解してもらえるのか大いに疑問を感じる。


気がかりは、本映画の中で、西田敏行は始終飲酒や喫煙を続ける、5年前に心筋梗塞を起こしたのを機に禁煙したはずだったのだが、どうしたことだろう。

一方、主演のブリタニー・マーフィーはスターに駆け上がった頃に本作を撮ったのだが、実は1年後に自宅で、32歳で急死してしまう。風邪と糖尿病とそれらの薬が偶然に作用して副作用が原因ということになった。ところがさらに6ヶ月後にブリタニーの夫が同じ家で、39歳で亡くなる。こちらも複数の病気とその薬による副作用ということになったのだが、彼の家族は今でも二人に死因に不審を持ち、調査を続けているともいわれている。

紀州のドンファンも不審な最期ではあったが、かつて愛した女性が4000人もいるというのに、悲嘆に暮れる人間はどこにも見当たらないようだが、ブリタニーの夭折を悼む人たちは後を絶たない。