スカイフォール(映画 2012年)

2015-11-25 00:00:48 | 映画・演劇・Video
007シリーズ第23作。ダニエル・クレイグ主演では3作目。彼がボンドになってからシリーズの性格はがらりと変わり、恐怖と不条理がスクリーンを支配するようになった。

ところで、フランスのテロがing状態の時に、ほとんどロンドン市内のテロといっていいような本作を観ていていいのだろうかという道徳観の欠如に自分ながら呆れるのだが、出演者の声が小さいため、音量を上げて見ようとすると、マシンガンの銃撃音や、爆発音、さらに悲鳴が部屋中に響き、近所からの通報を受けて突入してくる警察官と戦わなければならないかもしれないとヒヤヒヤしてしまう。

skyfall


しかし、本来、地球規模の破壊活動をめざす犯罪グループや、価値観の異なる国家との戦いが007シリーズ共通の決め事だったのに、本作はとんでもない敵だ。つまり、ジェームズ・ボンドの同僚。英国諜報部(MI6)所属のスパイだ。

ボンドは英国を愛し、かつ上司のMとは時に嫌われることはあっても基本的には職務的服従関係にあったが、今度の敵は、英国およびMおよび組織としてのMI6に反抗して、理由なき復讐を始めたわけだ。

つまり、職場内のイジメに反抗して、一般市民や無関係の職員を巻き添えにした無差別攻撃を行う。狙われた方も、市民の犠牲など無視してマシンガンなどで応戦する。大きな建物はいくつも破壊され、地下鉄は、地下空間に落下し、高速鉄道は車体が壊れ、流れ弾が飛び交い。味方に当たったりするわけだ。

そして、普通は悪人がアジトに隠れ、正義側がそれを包囲し、突入するのだが、本作は逆。ボンドの生家に建てこもったMはついに定年を間近に殉死し、部下をいじめた責任はうやむやになる。

そして本作にボンドガールとして登場したものの途中でMI6の内勤になるナオミ・ハリスとの今後の関係は注目したいが、来月公開の第24作まででボンド役は交代なのでどうなのだろう。

ところで、英国諜報部って実在するのだが、いったい何のために存在しているのか疑問が多いのだが、007の著者であるイアン・フレミングやル・カレといったスパイ作家は組織の出身者だそうだ。最大の効果は007シリーズそのものではないか、と言っていいだろう。

そしてやっと来月公開の第24作までに23本を観たのだが、その他に困ったことに番外編が1本ある。「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」といって初代ボンド役のショーン・コネリーがボンド役を降りた(降ろされた?)後でも、再度ボンド役をやりたくなって。米国映画として焼き直し。コネリーによるコネリーのためのコネリーの映画、と言われている。実は、行きつけのビデオ店(GEO)には見当たらない。

最新作の前に観るべきか、後に観るべきかちょっと考慮中。コネリーは70歳を超えているが、さらにもう一回出てもいいと言っているという噂もある。