三岸好太郎美術館

2015-11-01 00:00:09 | 美術館・博物館・工芸品
画家には二つのタイプがある。と妙な書き方をする。

夭折画家と長寿画家。

うまくいかないものだ。中間がない。この札幌出身の画家三好浩太郎は31歳で夭折。一方、29歳の時に夫を亡くした好太郎の妻である女流画家三岸節子は94歳の長寿で亡くなる。それぞれの出身地である札幌と一宮に美術館がある。

なんとなく、結婚した当時の二人の絵画は、かなり似ていると思う。筆を入れ合ったとは思えないが意見やアイディアは語らっていたのだろう。

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好太郎の没後、かなり経ってから節子は約200点の手元に残った作品を札幌市に寄贈し、それがこの美術館の元になっている。

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画家であった約10年の間に、彼の画風は目まぐるしく変化し、具象主義から抽象主義に変わっていった。彼の時代は、世界的には印象派以降なのだ。多くの習作を描き、どこかに着地する前に、おそらく胃潰瘍と思われる出血で急死してしまった。

さらに残念なことに、彼が欲しかった自分のアトリエも都内に完成間近だった。ある意味、そのアトリエで画家として一流に向かって歩き始めたのが、29歳の節子夫人だったというのが慰めとも言える。