日本の方言(柴田武著)

2015-07-28 00:00:49 | 書評
hogen昭和33年(1958年)の著で、当時の日本で行われていた、地域差別と言語ハラスメントの状況に嘆いておられたようだ。

特に東北から家族で状況した一家が、娘の方言で小学校でいじめられ、一家心中したようなことがあったらしく、方言は日本の宝というような主旨が書かれている。

時に古い本を読むと、著者の未来に対する不安が強く感じられる場合があるが60年も前の予言は当たっているのだろうかと言うと、こどもの方言がいじめの対象になるというのは、たぶん今もそうだろう。特に、関西人は一向に気にしないのだろうが北国の人は気が小さい。これも今も変わってないような気がするが、よく考えるとイジメの問題と方言の問題は違う問題なのだろう。

では、方言はどうなってしまったのかというと、これも地方文化の地方一極化のように、地方の各地域で微妙に異なっていたのが、だんだん共通化しているらしい。

私事ではあるが、岡山で仕事をしていても、全国から電話がかかってくるのだが、現地採用の人を見ていると、まず、共通語で対応し、地元の人の場合は方言になり、外部の人の場合は共通語でしゃべるというようなバイリンガル方式になっているようだ。

というか、それが共通語の本来の姿のような気がする。

英語が社内公用語の会社で、日本人同士は日本語でひそひそ話すとか、社内メールで日本語が使えないので、ローマ字を使って飲み会の連絡しているようなものなのだろうか。