「農地の適正課税」記事の危うさ

2015-07-01 00:00:08 | 市民A
nouchi日経新聞6月24日版の一面は「農地の適正課税滞る」となっていて、耕作放棄農地は農地扱いにしないで、どんどん税金を取るべきだ、という記事になっている。その中で、そういう人が農地を持っていて宅地として土地価格が上昇したら売ろうとしているとか、農地が眠っていても所有者が売らないから新規農業従事者がいない、という暴論に至っている。

この話は、記事だけでも二股ズボン状態で、安くても宅地として売ってしまえば、そもそも新規農業従事者の耕作地がなくなってしまうわけだし、何を目的にして書いているのかよくわからない。

そもそも、耕作放棄地が増えたのは農業従事者がいなくなったのが最大原因で、借りたいとか買いたいという人がいるのだろうか。ただならいいが、有料なら困るのだろうが、放棄地を宅地と認定したら、そもそも農業委員会とか市街化調整区域といった規制がなくなれば、すぐにでも全国で耕作放棄地の売地が倍増し、不動産価格が大暴落するだろう。

そして、やはり農地にはならない。

というか、持っていても、使えないし、売れないから持っているというのが多く、さらに本当に農業への新規参入者が大量の地面を必要としているのか微妙。高付加価値農業を目指すなら田舎の安い農地よりも、土地の種類にはかかわらず交通アクセスのいい首都圏周辺の場所を選ぶような気がする。

と書いていて、日経読者というのは、首都圏周辺の農業を知らない都会人が読むものであることに気が付く。とはいえ都会の周辺のほんの僅かな面積に成り立つ論理を一面で展開するのはどういうものかと思う。

本当は、農地バンクとかあればいいのだけど、評価基準の妥当性とか問題が噴き出すことが予測される。さらにいえば、地方の時代と言っても「地方の中核都市の時代」であって、そこから外れた地域は、いかなる種類の土地も富をもたらさない重荷になるような気がしてならない。C国の方々の土地の爆買い期待といったところだろうか。