近代戦法の源流

2010-11-27 00:00:25 | しょうぎ
竜王戦第4局は、腰掛銀戦法になった。それも、かなりのクラシック系である。最近、クラシック型の矢倉戦法が減少していて、振飛車、相振飛車系に新規戦法が多くみられるが、ときどきクラシック型が現れる。

この腰掛銀には有名な木村定跡というのがあって、そのパターンにはまれば先手必勝なのだが、有名過ぎて、実戦ではそうならない。すべてが、木村定跡からどうやって外れるのか、というようなことになる。

語源となった木村義雄(14世名人)だが、この戦法を確立したのが、1949年頃と言われる。2年前に若き挑戦者塚田に急戦腰掛銀を仕掛けられ、名人失冠中の2年間に戦法を完成し、見事に木村時代を築く。

また、やや自信はないのだが、横歩取りの原点である後手2三歩に先手3四飛の変化が先手有利になることを彼が追求したことにより、その後、横歩取りの研究が後手による横歩取られ対策という方向に向かったと考えられる。

そういうことから言うと、現代の永世名人(永世竜王)列伝に連なる棋士にも、勝ち星やタイトル数の数値的な記録の他に何か歴史に残る業績を求めたくなってしまう。

それに、在位中に歴史書に残る戦績を挙げていないからといって、人生のラストラン局面で、野戦砲、ミサイル、核兵器などで軍事的業績ポイントを得ようというわけではなく、単に数十センチ四方の盤上だけの話なのだから。


さて、11月14日出題作の解答。



▲2一飛 △同玉 ▲3一歩成 △2二玉 ▲3二角成 △1三玉 ▲3五角 △2四飛 ▲1四銀 △1二玉 ▲2一角成 △同飛 ▲1三角成 △1一玉 ▲2一と △同玉 ▲3一飛まで17手詰。

2手目△3三玉は▲5五角(限定) △4四合 ▲3四銀 △2四玉 ▲1二角成 △3五玉 ▲2五飛成まで9手詰。

最終手は▲4一飛と打つと19手詰になるが、それはマナー違反かな。


動く将棋盤はこちら


本日の出題作。双玉問題。あまり難しくないが、難易度よりも解く快感を重視。エンタメ派だ。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。