貧乏メタル

2010-11-04 00:00:48 | マーケティング
営業所長なのだろうか。自らの社名が、「○○○メタル」という正式名があるのに、電話をかけて場所や道順を聞いていたら、「人呼んで、『貧乏メタル』というのですね」と応えてくれた。


どうも、この『貧乏メタル』という呼び方が頭から離れなくなり、本当の社名の方を忘れそうになる。

では、なぜ貧乏メタルに電話を掛けたかというと、家電リサイクル法とテレビのディジタル化によって、格安輸入テレビが御用済となったため。本来はメーカーに引き渡せばいいのだろうが、あいにく国内メーカーじゃないので、自分で処分しなければならない。

それで区役所に聞いて、所定の手数料を郵便局で支払ってから、指定業者に電話をかけたわけだ。道を聞いて自分で持ち込もうというわけだ。


それで、貧乏メタルに行くと、・・

立派な工場だったわけだ。乗用車やトラックが次々に入構してくる。聞けば毎日テレビが100台以上集まるということで、今後さらに拡大しそうである。

その他、OA機器とかその他の家電製品なども引き取っているようだ。

帰ってからホームページで調べようとして、会社の名前を全然覚えていないことに気付く。「貧乏メタル」で検索しても、もちろんヒットしない(明日以降は、このブログがヒットするはず)。地図を表示させて、建物の名前を見て思い出す。


最近、かなり手広くやっていることがわかる。まず、OA機器やパソコンの解体をして、レアメタルの再利用工程の入口の作業を行っている。

さらに、目玉は、銅線の処理。電線の古典的な処理は、そのままゴミ処理場で焼いてしまってから産廃業者がすべてが混じったスラグの塊として買い取っていく方法や、被膜のついたままの電線を西アフリカの発展途上国の田舎の方で火をつけて燃やして、有毒ガスを大発生させて銅線だけを採取する方法など。



この貧乏メタル社が行っているのは、まず、あらっぽく電線の皮をはがし、次に細かくバラバラに粉砕するわけだ。その段階で銅と被膜のクズが混じった状態になっている。それをこの会社の工場では、特殊な装置で銅とゴミに分離するそうだ。できた銅のチップを「ナゲット銅」と呼ぶそうだ。この選別作業が重要で、選別比率を100%に近づけようとすると、逆にクズが混じったりするようだ。

ともかく、次々に仕事があって、まったく「貧乏」には見えないわけだが、古来「貧乏暇なし」という格言もあるので、本当のところは、よくわからない。