棲家(明野照葉著)

2010-11-19 00:00:14 | 書評
sumika明野照葉を読むのは二冊目。なんというのかな、「棲家」というのは「すみか」と読むのだが、「住家」とか「住処」でもない。何かが棲んでいるわけだ。

まあ、いわゆるオカルトというか怨霊である。怨霊が棲む家というのも、元々、東京に数多くある霊感スポットにあったお社を壊して洋館を建てたことによるわけだ。

そして、取り憑かれた女性が希和というのだが、当初、この女性の周りに様々な怪奇現象が起きることによって、主人公に違いないと思わせるわけだが、そうではなかった。

洋香という同年代の女性が現れるのだが、霊感師の家系に生まれていたのだが、たまたま希和の友人だったわけ。

本書後半は、怨霊退治になるわけだ。そして、一見、怨霊退治に成功したように思えるのだが、実は東京には怨霊が多すぎるわけだ。


ここで、本書を離れて自分のことだが、若干の霊感を持っているような気がする。ただ短期的な予感に強いわけじゃなく、5年ぐらい先に対する念力みたいなもの。

人生を長くやっていると、頭にくることも多く、「あいつ、死んでしまえ!」と思うことも何回かあるのだが、思えば、その人間たちは、ほとんど5~10年で、あっちの世界に行ってしまっている。念力が届いて『五年突き』みたいになったのだろうか。

実は、この話、先日、仕事で移動中に、山手線内で同僚と普通レベルの音量で話していたのだが、結構ざわざわとしていた車内が、急に静まり返ってしまったのだ。