ピストンエンジンは永遠か!な?

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FCRスロットル開度

2008年03月05日 | キャブレター

人気blogランキングへ  いよいよ本格的な春の兆し。

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FCRは通常のキャブレターと異なる点が幾つもありますが、スロットルシャフトを動かすワイヤーのプーリーの大きさも違います。

ノギスを当ててみると半径は約14mm。撮影のために右手をカメラ、ノギスを左手で支えているためにずれていますが、寸法は狂っていないと思います。

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比較はハーレー用のCV40。キャブの口径は同等ですけれどプーリーの大きさは18mmです。

スロットルグリップ側の径が同じなら、スライドバルブとバタフライの違いがあるにせよ、キャブ側が小さければハイスロ効果があるわけです。

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ところが、もう一つリンケージを特殊な使い方をしています。

先端に黄色矢印のローラーが付いている赤矢印のレバーは、緑矢印のシャフトと連動します。画像はスロットルが閉じている状態です。

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スロットルシャフトを回転させると、レバー先端はバルブ上部の溝をスライドしますが、回転角度の割にはバルブ開度は大きく開きません。

この説明では分かりづらいですね。

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この画像はスロットルプーリーの回転角度とスロットルバルブの開度を同時に見られるように合成してあります。

赤矢印がプーリーの回転角度で、緑矢印がスロットルバルブ開度です。

プーリーの回転角度は一つ上の画像の状態と考えてください。

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プーリーの回転角度を約2倍にしてみると、スロットルバルブ開度は3倍くらいになっているのが分かると思います。

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プーリーが更に回転して、その角度がわずかでバルブは全開になります。

FCRキャブレターが名器と言われる由縁は、高性能とともにセッティングの容易さにもあると思います。高性能が安定しているのは工作精度の高さですね。

セッティングの容易さの秘密が、ココにもあると思う理由を挙げてみましょう。

バイクの魅力のひとつは加速性能にありますので、全開性能とともにキャブレターに求められます。

昔の大口径キャブレターは全開性能は良くても取り扱いが難しく、スロットル操作に技術が必要でしたが、CV(コンスタントバキューム)キャブレターの発明でほぼ解消されています。

ベンチュリー内の流速はスロットルバルブの開度とピストンスピードに決定されます。

つまり、キャブレターフロートチャンバー内のガソリンが、スロージェットやメインジェットを通じてエンジンに適切量を供給するためには、適切な流速による負圧がなくてはなりません。

例をとると、ハーレーダビッドソンではアイドリング回転を低めに設定されることが多いのですが、低いピストンスピードでは当然流速が落ちていますので、急にスロットルを開くと燃料の供給が悪くなりますから失火することがあるわけです。

それを解消するためのデバイスが加速ポンプですね。

話を戻しますと、FCRにも強力な加速ポンプがあります。そして断面が円のスロットルボディを塞いでいるスロットルバルブが開くことにより開口面積が増えますけれど、それは開度に比例するのではなく、最初は2次曲線的に増えていきます。

その傾向を更に大きくさせているのが、今回紹介するところのスロットルリンケージです。

つまり昔の大口径キャブレターは、小さいスロットル開度から大きく開けるにはジワっと操作する必要がありましたが、FCRでは同じスピードで開けていっても”ジワっと操作”が自然とできてしまう優れものだと思います。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
FCRは、以前乗っていたCB1000SFに付けてました。と... (Eureka No1)
2008-03-06 12:21:12
FCRは、以前乗っていたCB1000SFに付けてました。とてもレスポンスの良いキャブレターで、ノーマルのCVとは比較になりません。一つ欠点は、スロットルが重いことで、長距離ツーリングでは、右手首がつらかった思い出があります。

皆さんをお騒がせした、Z1300のシリンダブロックですが、昨夜0時過ぎにやっとクランクケースから離れました!
プラハン攻撃に飽き、バールに軍手を巻いて、シリンダ周囲の手がかりを「てこ」の要領で持ち上げました。○レの浸透潤滑剤をスタッドの穴から「これでもか!!」と言う位注ぎ込み、バールで揺すっていたら「ベリッ」という感触と共にシリンダブロックが持ち上がりました。持ち上がった瞬間は何が起こったか判りませんでしたが、ブロックとクランクケースの隙間が見えたときは、嬉しいと言うより放心してました。
スタッドボルトとノックピンは両方ともピカピカで錆びは有りません。結局、ガスケットのみで貼り付いていたのでした。

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Eureka No1さん、 (ピストン)
2008-03-06 19:55:48
Eureka No1さん、
外れて良かったです!
>両方ともピカピカで錆びは有りません
これも良かったですね。
ガスケットの張り付きは結構強固です。
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>ピストンさん (big_boy)
2008-03-06 22:22:27
>ピストンさん

さすがFCRは凄いですね。
ついでに対するHSRも比較されると嬉しいのですが・・
なんなら送りましょうか?^^

*例のモニターの中間レポート届いてますか?


>Eureka No1 さん

文からするとスタッドの固着がなかったようなので良かったですね。
スタッドも錆で固着していると、そんなものでは済みませんよ^^
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big_boy さん、 (ピストン)
2008-03-07 19:27:04
big_boy さん、
遅レスで・・・・
レポートありがとうございました。
あれはオイル洩れですか?
凄い色になってますね。
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ピストンさん (big_boy)
2008-03-08 23:57:12
ピストンさん

あの色はヘッド、ロッカーから漏れたオイルが付着してゴミが付いたドロ汚れだと思われます。
エンジン・ミッション周りの手の届かない所の汚れと同じです。 
元々青色でしたよね?

見る影もありません。^^;

今回はバンドをかなり締め付けたようです。
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big_boy さん、 (ピストン)
2008-03-09 19:11:39
big_boy さん、
そうですか。
ロッカーのガスケットは決め手がありませんからね。
S&Sの分割ロッカーは良くできていて、形も似ているのですが別物になってしまいます。そしてビックリするほど重いのですよ。
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