ピストンエンジンは永遠か!な?

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2006年05月10日 | ブレーキ系

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フルード交換ができない!

2004年モデルからのスポーツスターのフロントブレーキマスターの評判が芳しくありませんけれど、それ以前のモノはどうでしょうか?

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写真はスポーツスターでは2003年モデルまで使われていたフロントブレーキマスターシリンダーです。

何故、分解してある?

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昔は継続車検というと、ゴム製品のほとんどを交換いたしました。

今ではブレーキ関連部品も不具合の無い限り、無用に分解整備もいたしませんが、アメリカと日本ではブレーキの使用頻度や湿度を鑑みると(DOT5と言えども)フルードの交換は必須と思います。

通常の手順でフルード交換の作業を進めていたら、キャリパーからフルードが出てきません。

勿論、作業に取り掛かる前に異常はなかった・・・・・。

ピストンにカップがついた状態でシリンダーに嵌め込んで動きを見てみると、上の写真ではスムースに動きますが、下の写真(セカンダリーカップまで入れると)とたんに渋くなります。

更に各部を良く見てみます。

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2枚の写真が何を物語っているかと言うと、矢印の示す部分は180°反対側ですから、ピストンが斜めに側圧を受けているのが分かります。

この写真で注目していただきたいのは、ハーレーダビッドソンが油圧ブレーキを採用して以来、セカンダリーカップにOリングを使用しいます。これについては後ほど。

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上下の写真で矢印の示すレバーとの接触箇所がずれているのが分かりますか?

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この樹脂製の小さな部品は、レバーやダストシールとの滑りを良くするために使われていると思いますが、矢印のように凹んでしまっています。、ピストンへの側圧も解決する期待も?

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ブレーキレバーはピンを中心とした円弧を描く運動ですが、ピストンは直線運動です。ココの辻褄合わせが例の樹脂製パーツだけで済んでいればよかったのですが、ピストンまで及んでいました。

どこが悪いか?

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矢印はリターンポートと言います。この小さな穴が意外なほど大きな役割をしているのです。

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簡単な図ですが、①が正常なリターンポートとカップの相対位置で、②がピストンを少し押した(ブレーキレバーを少し握った)状態、あるいはピストンが正常に戻らない状態です。

これで分かるように①の正常な状態では、タンク内のフルードは自由に行き来でき、キャリパーからのエア抜きも正常に行えますが、②ではリターンポートをカップで塞いでしまっているので、色々な不都合が生じてきます。

今回の直接的な原因はセカンダリカップの役割のOリングの膨潤だと思います。スプリングの張力不足も原因にはありますが、明らかにプライマリーカップ(先端のカップ)に較べて動きが渋くなっていました。この車両は4万km以上の走行をしていて、ブレーキマスターのオーバーホール時期といえば納得できるものです。

しかし、ココに04スポーツスターのマスターの戻り不良の解決のヒントはないだろうか?

残念ながら、この年にLTRショップから撤退してしまったので縁がうすく、本格的に解明するチャンスがありませんでした。勿論分解した経験もないので憶測になってしまいますが・・・。

国産車のマスターシリンダーではセカンダリーカップもOリングではなく、カップ形状をしています。セカンダリーカップは圧力がさほど掛かるわけではないので、Oリングでも支障はないのですが、今回のようなことになりやすいのではないかと思われますね。

04以降のマスターシリンダーはニッシン製と聞いているので、まさかセカンダリーカップにOリングは使って.いないと思いますが、事実を知っている方は教えてください。

ここで考えられる事を書き出してみると

  • ブレーキマスターのピストンクリアランスの設定をミスするとは思えない。
  • シリコンフルードのカップ類への攻撃性。
  • リターンスプリングの設定。

フルードの攻撃による膨潤だとすると、セカンダリーカップの勘合部のピストン径が何かの間違いで0.5mmも大きければ大いに可能性がありますね。

リターンスプリングの設定ミスも在り得るかもしれない。最近のハーレーの操作力の軽減の努力は並々ならぬものが感じられますが、その弊害になっている可能性も・・・・。

ブレーキランプのスイッチはレバーの根元のマイクロスイッチになっていますが、シリンダーピストンが戻りきらないと、ブレーキランプが点きっぱなしになってしまいます。余談ですが、これを放っておくとテールレンズが溶けてしまうこともありますね。

この程度でしたら、まあ余り罪はないのですが、時にはブレーキが抜けてしまう事や引きずってしまったりすることもあるので、最悪の事態では事故も考えられますから、充分ご注意を。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
情報有難う御座います。 (US05 1200R)
2006-05-11 03:35:29
情報有難う御座います。
こちら、XLフォーラムに掲示してあるブリテンのリンクから推測するに、今回の問題はデュアルディスクのマスターに限られる様で、プライマリーが引っかかって戻らずブレーキ液がリチャージされない・・依ってリーク量に伴って毎回握り代が増えていくのと同時にブレーキを引きずった状態に成り易くベーパーロックを起こす・・・のだと思います。自分で点検したいのは山々ですが保障期間中なのでディーラーに持って行こうと思ってます・・から事実は闇の中に・・・なりそうです。http://mysite.wanadoo-members.co.uk/harleyhog3/M1178.pdf
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書き忘れましたがブリテンの指示はグリースの種類... (US05 1200R)
2006-05-11 03:41:22
書き忘れましたがブリテンの指示はグリースの種類を変えよ・・ですから膨潤や固着、静から動へ移る場合のトライボロジー的な特性の問題にスプリングレートの不適が噛み合わさっているようです。
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そういえば04‘が出た時にピストンが戻らないって... (ジャイアン)
2006-05-11 05:01:39
そういえば04‘が出た時にピストンが戻らないって話は聞きましたね~。
その後ディーラーで聞いたら、メーカー指示は潤滑で対応してくれって事で、指定グリスはグリコール用マスターと同じ物だったらしいです。
ただそのグリス誰が買うんだよってメカニックが怒ってましたが(笑。
それまではクレーム扱いで部品交換してましたが、その指示以降クレーム扱いから外れたらしいです。
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コメントありがとうございます。 (ピストン)
2006-05-11 11:41:33
コメントありがとうございます。

ハーレーのブレーキは、さほどハードに使う事は前提にないのでしょう。
あ、これはjaiさんのブログでFフォークの関連で書いてありましたね。
2枚デイスクの径が大きいマスターの不具合だとすると、ボアの大きい方が側圧が大きいですから、その影響があるのでしょう。
素直に強いスプリングにリコールで交換すれば、数万人のユーザーの気が安まります。

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うちのもリアでこの現象が発生しました。 (05 883L)
2007-06-14 21:56:54
うちのもリアでこの現象が発生しました。
ディーラーでリペアキットを買うときに症状を伝えましたが、いまいち理解していないようでした^^;
重要部品だけにリコールにならないのが不思議です。。
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05 883L さん、 (ピストン)
2007-06-16 09:31:59
05 883L さん、
遅レスでスミマセン。
フロントマスターシリンダーの件は収束したようですが、リアのほうもたまに聞きますね。
いずれにせよ、ブレーキを掛けたときに抜けてしまったときの”ドキッ”は心臓によくありません。
そして事故が起きてしまえば・・・・。

こうした事例をメーカー側は瑣末なこととと片付けては将来が危ぶまれます。
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