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さる掲示板での質問がこちらに回ってきましたので、ガスケットについてもう一度考察したいと思います。
この掲示板には最新情報も頂いていますが、ココではシリンダーヘッドとロッカーカバーの間のガスケットについて考えてみます。
ペーパーガスケットの寿命
前述しているように、数年前から各部のガスケットがメタル化しています。
16800-84という品番は'84年に遡って使用できる慣例?ですね。因みに価格は1枚1680円。
写真上の16779-84Dは、16778-84B(写真には無い)と組み合わさって使用されるペーパーガスケットです。
古い使用済みガスケットはその都度捨ててしまうので、見本はオイルポンプのガスケットです。
数字の矢印は条件の異なる場所で、それぞれの厚さを測ってみました。
これは’83年モデルのガスケットですから、タブン20数年経っていることになります。パリパリに脆くなっていますね。これは明らかに寿命が尽きています。
ガスケットが縮む?
①の場所で21/100mm前後です。
②は23/100mmです。
③は締結圧力を受けていない部分(未使用と同じ)で28/100mmです。
図にしてみるとコンナ状況なのではないでしょうか?赤の部分がガスケットです。
分かりやすいように誇張してありますが、ボルトの締結力により①の付近に一番大きな圧力が掛かりガスケットは座屈して薄くなっています。
緑の部分は金属の部品としてありますが、ガスケットが薄くなる分変形します。
①と②の差は2/100mmですが明らかに差があります。
つまりペーパーガスケットは締結力の条件の違いにより、沈み量が異なってしまいます。
③-①で7/100mmですからこのガスケットは最大25%の沈み量です。
しかし逆の見方をすると、沈み量の範囲内でキズや変形に対応できる可能性があるということです。
メタルガスケットでは?
メタルガスケットの厚さは38/100と元々薄く。
ペーパーガスケットは44/100mmです。更に赤いシリコン系?の物体で補強してあります。
メタルガスケットは矢印のようにステップ加工がしてありますが・・・・。
こんな状況ではないでしょうか?
元々薄く、座屈は最小限(10%以下?)なので、①の部品の変形はほとんどないのですが、中央部の圧力は小さくなり、オイル洩れの可能性が出てきます。
更に①②の当り面にキズなどがあると対応できません。
これはダービーカバーのメタルガスケットですが、オレンジ色の物体で補強してあります。
つまり補強材が潰れる事により、締結圧力を均一にしようという解決策ですね。
実はワタシにもこの件ではニガイ経験がありまして、メタルガスケット化する前の早いモノでは、数年でオイル洩れが発生するのが周知の事実で、ペーパーガスケットの宿命と諦めていたのですが、メタルガスケットの出現を喜び勇んで使用したところ見事裏切られました。
ペーパーガスケット使用でのリペアでは再修理という事はなかったし、上記の失敗でもペーパーガスケットの使用で何ということはありませんでした。レトロフィットも良し悪しですね。
メーカーがリリースする部品は相当のテストも重ねている筈ですけれど、それも最近はアマリ当てにできません。一番信用できるのは自分の経験に重ねた総合判断です。ワタシの記事はほとんどワタシ自身の経験に基づいていますが状況が同じとは限りません。
*hiroさんのトラブルは年式が’04ですし、US05 1200Rさんの情報が該当するのか、メタルガスケットが悪いのか、今現在では情報不足で分かりませんが、少なくともメタルガスケットのレトロフィットは慎重にされたほうが無難です。