白い彼岸花(2) リコリス
加古川地方では、もっぱら「ヒガンバナ・手くされ」と呼ばれ、子ども達は首飾りなどを作って遊んだものです。
最近は、そんな遊びも、めっきり少なくなりました。
もっとも、白い彼岸花は首飾りに似合わないのかもしれません。
それに、赤い彼岸花は、墓地に咲いていたり、燃えるような花びらの赤が、火事を連想し、嫌われこともあり、花瓶で飾られることはあまりありませんでした。
また、「赤い彼岸花は毒があり、手が腐る」ということを、疑いつつも子どもの頃は、「そうかな・・・」と思ったりしていました。
たしかに、根には毒が含まれているようですが、水に晒せば無毒になり、飢饉の時に多くの人命を救ってきた食料にもなりました。
そのためでしょうか、子どもたちに「毒があり、むやみに手折ったり、花の咲く田の畔を荒らしてはいけません」という、教えだったのでしょうね。
白い彼岸花は、彼岸や毒を連想しません。
むしろさわやかな感じを与えてくれます。
彼岸花が彼岸(死後の世界)を連想するためか、最近では多くの色を持った彼岸花は「リコリス」という名で普及しているようです。
円照寺では、白いリコリスが咲きました。
まもなく、次々といろんな色のリコリスがさいて境内をかざります。(no3328)
*写真:白い彼岸花(撮影・堀江)