蛸草の地形①
水は広谷池から蛸草大池(天満大池)・入ヵ池へ
『兵庫探検・続歴史風土編』から印南野台地の説明の一部を読んでみましょう。
「・・・神戸市垂水区神出町の雌岡山(めっこうさん)に立つと、印南野が一望の下に見渡せる。
標高241メートルの低い山だが、ぐるりに高い山がなく、視界はぐんぐん開けている。
・・・加古川や高砂の市街地が霞んでいる。
播磨灘からだんだんに高まってきた海岸段丘の、頂点にあるのが雌岡山だった。
いいかえると、目の下の台地は雌岡山から南西にかけて漸次低くなり、そしてここに数えきれないほどの溜池が散在していた。・・・ 」 (『兵庫探検・続歴史風土編』より)
印南野台地は、大まかに言えば、雌岡山あたりを頂点に西に、そして南に低くなる地形となっています。
ですから、雌岡山辺りに水さえあれば、水は印南野台地を流れ下り、豊かな稔りを台地の村々に約束をします。
もう少し付け加えておきます。
印南野台地は基本的には西に、南に徐々に低くなる地形ですが、役場のある辺りが若干小高くなり、東から流れる水は一部北西の入ヶ池の方向に流れます。
命の綱、広谷池・広沢池
蛸草は、印南野台地のまさに中央に位置し、印南野台地の特徴を絵にかいたような地域です。
赤で囲まれた地域は現在の蛸草です。
蛸草の池としては、広谷池と広沢池のみです。
溝ヶ沢池・入ヶ池・内ヶ池等々は、みな他地区の池です。
広谷池・広沢池は蛸草にとってはまさに命綱でした。
広谷池・広沢池(広谷池の右に位置する少し小さな池)は、蛸草の最も高い位置につくられています。
ここに、十分な水があれば水は蛸草新村の隅々まで潤すことができたのですが・・・