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樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木のオーケストラ-②

2008年01月11日 | 木と楽器
宇治市には「宇治シティーフィルハーモニー」という管弦楽団があります。プロ、音楽の先生、京都芸大の卒業生など宇治在住のメンバーが集まったアマチュアの楽団です。
昨年の年末、久しぶりにその定期演奏会に行ってきました。前売りなら500円でクラシックが聴けるありがたいコンサートです。やっぱり、生の音楽はいいですね。

       

全80人の団員のうち57人が弦楽器と木管楽器。オーケストラの7割は木の楽器ということです。
バイオリンやビオラ、チェロなど弦楽器に使われている木はドイツトウヒ。以前、ピアノの記事でもご紹介しましたが、楽器にはなくてはならない大切な木です。
名器と呼ばれるストラディバリウスに匹敵するバイオリンを製作するために、ロシアが独自の音響測定法で研究したことがあります。その結果、220年前の建築物を壊して得たトウヒを使ったら、よく似た振動特性が得られたそうです。トウヒなどの針葉樹は200年くらいまでは時間経過とともに木部の結晶性が高まり、振動特性が良くなるらしいです。

            
      (ドイツトウヒ。クリスマスツリーも元はこの樹でしたが今はモミ)

専門的なことはよく分かりませんが、オーケストラのピッチはA音が440ヘルツと決まっているのに、ボストン交響楽団は443ヘルツ、フィラデルフィア交響楽団は444ヘルツと、古いバイオリンをたくさん持っている楽団ほどピッチが高くなっているとか。

       
           (ピアノの先生の家にあった古いチェロ)

ドイツトウヒが使われているのは表板だけで、裏板や側板、ネックはカエデ。以前ご紹介したギターと同じで、表は針葉樹、裏は広葉樹という組み合わせです。また、指板や顎あてにはコクタン、糸巻にもコクタンやツゲなどの硬い木が、弓にはペルナンブコというブラジル産の木が使われています。
ピアノの記事に「木のオーケストラ」というタイトルをつけましたが、バイオリンも同じで、いろんな木が響き合ってあの美しい音を出しているんですね。
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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足寄に (guitarbird)
2008-01-12 09:23:18
昨日まで足寄に行ってましたが、木がお好きなfagusさんには
ぜひ、2、3日滞在してもたいたい町です。
スプルースの仲間であるエゾマツを使ったピアノ響板や、
学校用の椅子を作っている会社があったり、おとといは、
廃校を利用した木質ペレットの工場も見つけました。
(写真を撮ろうと思って忘れました)。
それから私がいたところは、主にトドマツを積んだトラックもよく見ました。
鳥もオジロとオオワシいましたし。
いかがですか!
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遠征お疲れ様でした (fagus06)
2008-01-13 19:18:07
私は車で2回北海道へ鳥見ツアーに行って、道東と道北、道央は走りましたが足寄には行かなかったです。よく似た地名の名寄は行きました。
そうですか、木や鳥のポイントが多いんですか。ぜひ、行ってみたいです。足寄だけじゃなくて、北海道にもう一度渡って、鳥や風景を楽しみたいです。
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