先日、つくば市で3階建ての木造校舎の火災実験が行われました。
「公共建築物木材利用促進法」が制定され、校舎などに国産木材を使おうという機運があるのですが、現在の建築基準法では2階建てしか許可されません。それを緩和するために実物大の木造3階校舎を建て、その耐火性を検証しようというのです。
国交省、大学、ハウスメーカーの産官学共同の研究チームが、軸組工法(Aブロック)と枠組壁工法(Bブロック)の2つの工法で、延べ2260㎡の校舎を設計・建設。実験では、1階の職員室に点火されました。その様子が以下の動画。
点火から1時間15分後にはAブロックのうち、防火壁とBブロックに挟まれた区画が丸ごと倒壊。その10分後にはBブロックの一部、さらに9分後にはBブロックのほとんどが倒壊し、1時間36分後には防火壁が崩れ落ちたそうです。
使用された主な木材はスギ集成材とカラマツ集成材。校舎の建築費は3億円だそうです。その額に驚きましたが、調べてみると、実験のためにいろんな装置やシステムを組み込んでいるようです。
一応、火災発生後1時間もてば準耐火構造ということになるようですが、1時間15分というのは微妙な数字ですね~。確証を得るために、もう一度実験するそうです。
このニュースを見て、私は黒澤明の映画『乱』を思い出しました。城が炎上するラストシーンのために、実物大の城を建てたのです。建築期間は4カ月、建築費はなんと4億円! 今回の実験棟のさらに上をいくわけです。
その炎上シーンを背景に主役が放心状態で階段を降りてくるのですが、撮り直しがきかない1発勝負。主演の仲代達矢は、失敗すれば4億円がパーというプレッシャーの中で演技したのです。映画俳優にならなくてよかった~(笑)。
黒澤監督は『赤ひげ』の時も、薬箪笥の外側しか映らないのに、すべての引き出しに薬を入れさせたという逸話が残っています。撮影へのこだわりは尋常ではないですが、それにしても、わずか1~2分のシーンのために4億円かけて城を建てる? 映画監督にならなくてよかった~(笑)。
これはテレビでニュースを見ましたが私はこういう税金の使い方は賛成です(笑)。
確かに1時間15分というのは微妙ですね。
1時間30分なら大丈夫そうかなと思いますが、でもじゃあ1時間20分だとやっぱり微妙かな・・・
「乱」の話は知らなかったですが黒澤監督の映画への執念はよく聞く話です。
フェリーニにもそんなセットにこだわる話があったような、でも確かなことは忘れてしまいました。
この結果をどう評価するか、難しいところなんでしょうね。
記事にはかきませんでしたが、点火後数十分で爆発が起こったそうです。何が爆発したのか分かりませんが、ちょっと「?」ですね。
黒澤作品はたくさん観ましたが、やはり迫力がありますね。フェリーニはほとんど観てないので知りませんが、巨匠と呼ばれる人たちはそれなりにこだわるんでしょうね。
それを踏まえた実験もしてほしいところです。
今回は多分、木造の耐火実験なのでスプリンクラーは敷設していなかったでしょう。次回の実験ではそのテストもやるかも知れません。