樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

国宝と世界遺産

2011年11月17日 | 木造建築

前回ご紹介したヨーロッパの木造建築はいずれも世界遺産。うちの近所にある宇治上神社も現存する日本最古の神社建築ということで、平等院とともに世界遺産に登録されています。国宝にも指定されています。

宇治上神社にはいつもわずかばかりのお賽銭で願い事を3つも4つもお頼みして、その多くを叶えていただいているので、恩を仇で返すようですが、世界遺産というのはちょっとおこがましい気がします。

 

 

宇治上神社の本殿(国宝)

 

だって、小さな本殿と拝殿があるだけのせせこましい神社ですよ。おそらく、日本で(世界でも)いちばん小さくて無名の世界遺産だと思います。

みなさんも知らなかったでしょう? 前回のルーマニアやロシアの木造教会に比べても迫力ないでしょう? 

 

 

神社は小さいのに「世界文化遺産」の石碑は大きい(笑)

 

宇治上神社より金閣寺の方がよっぽど有名ですが、金閣寺は世界遺産に登録されているものの、国宝ではありません。理由は、一度全焼して再建されているから。炎上する前は国宝でした。

再建は世界遺産の基準では○なのに、国宝の基準では×ということのようです。

 

 

(画像はパブリックドメイン)

 

ユネスコも以前は「再建したものは偽物」という認識だったようですが、そうなると木造建築物の多くが偽物ということになり、アジアの伝統的な建築物が登録できなくなるので、再建でも認めようという方針に変わったとか。それをリードしたのは日本の文化庁で、奈良で国際会議を開いて認めさせたようです。

世界遺産では再建を認めさせておいて、国宝では再建を認めないというのは矛盾すると思いますが、どうなんでしょう。

 

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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2011-11-17 08:24:51
おはようございます
近くに世界遺産があるのはやっぱりいいなと思います。
私なら建物の写真を撮る練習として足しげく通うと思います。
でも文章を読んでいるとfagusさんは「世界でいちばん小さくて無名」であることに誇りを持っておられるように感じましたがいかがでしょうか(笑)。
確かに再建したものは国宝とは認められないけど世界遺産は大丈夫というのはどうなのだろうと思いました。
国宝の場合は昔から技術がつながっていることに意味があって、世界遺産は形として残っていることつまり意匠に意味があるということなのかな、となんとなく思いました。
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宇治上神社は (fagus06)
2011-11-18 07:38:16
宇治川をはさんで平等院の対岸にあるのですが、平等院側は観光客が大勢いますが、こちら側にはパラパラ程度。
そのゆる~い感じが地元住民の私にはいいのですが、金閣寺を差し置いて「国宝」というのが晴れがましくて(笑)。
ちなみに、伊勢神宮は国宝にも世界遺産にも指定されていません。皇室に直結する遺産は指定を避けているという説もあります。
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