樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

百果繚乱

2018年10月11日 | 樹木
久しぶりに栃の森に行ってきました。7月の予定が西日本豪雨で延期になり、私は参加できなかったので4カ月ぶり。
森はすでに実りの最盛期。さまざまな木の実が色づいていました。真っ先に目に飛び込んでくるのは、視線の高さで青い実をつけているサワフタギ。年によって少ないこともありますが、今年は5月に花が満開だったのでたくさん結実しています。



いつもの休憩ポイントでは、オニグルミの巨木に巻きついているツルマサキが可愛い実を付けています。



谷筋で目を引くのはコマユミの赤い実。図鑑によると、マユミよりもニシキギに近いようです。



反対側の斜面にはハクウンボクの実が…。エゴノキの仲間ですが、葉も実もエゴノキより大きめ。



木の実ではないですが、トリカブトの花がまだ咲いていました。この森はシカの食害が深刻で、ササはほぼ全滅、林床部に残っているのは草本ではトリカブトとバイケイソウ、木本ではオオバアサガラとテツカエデの幼木、つまり有毒な植物のみという惨状です。



折り返し地点の峠には、いつものようにタンナサワフタギの黒い実が成っていました。



ヤマボウシが赤い実をつけていたので、久しぶりに一粒口に入れました。以前に食べた時は小さな種がジャリジャリして食感がいまいちでしたが、今回は大きめの種が5~6粒しかなく、マンゴーのような食感とカキのような味が楽しめました。



往路は薄暗い早朝で気づかなかったのですが、帰路の林道でナナカマドとエゾユズリハの実を発見しました。





嬉しかったのはサルナシ。いつもサルに先を越されて食べる機会がなかったのですが、今回やっと念願が叶いました。同じ仲間ですから当然ですが、味はキウイそのもの。皮が少し固いものの、酸味のほか甘い部分もあって、サルの好物である理由が納得できます。





今回心配していたのは、集中豪雨や台風21号、25号の影響。林内はいたるところに倒木や小規模な土砂崩れがあったものの少し迂回する程度で済みましたが、林道が1カ所大規模に崩落していて恐る恐る通りました。次に大雨が降ったら、通行止めになるかもしれません。



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4 コメント

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木の実いろいろ (ちどり)
2018-10-11 08:43:14
いろんな木の実、探すのも楽しそうですね。
ヤマボウシやサルナシの実も食べられるとは知りませんでした。
よく通ったこの森、被害が大きそうで悲しくなります。
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Unknown (kazuyoo60)
2018-10-11 08:50:01
サワフタギ、青い実は印象に残ったはず、花も実もない時期だったのかと思います。この青い実が豊作で鳥たちは喜んでいるでしょう。我が家のマユミはピンクに染まってきました。コマユミはまだ出会っていません。ハクウンボクの方が少ないのか、花を拝見することも稀です。
鹿は食べられるものは全部状態なのですね。ヤマボウシの実、甘いですね。昔に貰って食べました。
エゾユズリハの実、こんな実がなるのですね。20年前にユズリハが枯れました。どうやら雄木だったようですが。
サルナシの小さな鉢植え、数個実がなったのを初夏?に買いました。何時食べるのかなと思いながらです。
崩れた山道、次に何かあったらもっと崩れそうですね。
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ちどり様 (fagus06)
2018-10-12 08:05:18
植物にお詳しいちどりさんがご存じなかったのは意外ですが、ヤマボウシやサルナシの実、食べられますよ。
でも、積極的に食べるようなものではないですね。私のようなオッチョコチョイが興味本位で口にする程度でしょう。
野性を失った人間にとっては、やっぱり果物屋さんで売っている木の実の方がおいしいです(笑)。
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kazuyo様 (fagus06)
2018-10-12 08:10:41
おっしゃるように、シカは食べられるものは何でも食べてしまいます。オオバアサガラの葉には毒性があるので食べませんが、樹皮には毒性がないようで、はがして食べています。
ユズリハの実は見たことないですが、多分、エゾユズリハの実とほぼ同じでしょう。もっと大きいかもしれません。
今度、妻がそちらにお伺いしたときには、また庭の実りをお裾分けしてくださいね。
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