樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木が語る気候

2015年09月07日 | 樹木
一昨日放送されたNHKスペシャル「巨大災害~海と大気の大変動~」の中で、ある学者が木の年輪から判明した過去2000年分の降水量グラフを示していました。年輪に閉じ込められた酸素同位体を調べれば、その年の降水量が分かるそうです。
この年輪と気候の関係が学問として確立したのは、100年以上前の1895年。アメリカの天文学者アンドリュー・ダグラスが、太陽の黒点と地球の気候の関係を調べていた際、年によって年輪の幅に共通点があることを発見したのがはじまりだそうです。
そのとき、ダグラスは17世紀ごろに約1世紀にわたって寒冷期があったことに着目しました。ストラディヴァリのバイオリンはこの時期に育った密度の高い木を使ったから素晴らし音が出る、と言われています。
下の写真は、京都大学宇治キャンパスの木材研究室で撮影した樹齢900年の屋久杉の年輪。ここにも900年分の気象データが蓄積されているわけです。



この「樹木年輪年代学」は100年前に確立されたわけですが、そのさらに400年前に年輪と降水量の関係に着目した人がいます。万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
以前、当ブログでも「ダ・ヴィンチはツリーウォッチャーだった」とご紹介しましたが、この天才は北イタリアの樹木を詳しく観察し、年輪の幅と降水量との間には相関関係があることを指摘したそうです。
ダ・ヴィンチもすごいですが、2000年分の気象データを蓄積している木もすごいですね。
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2015-09-09 07:00:37
おはようございます
これですが、実際にどのようにして何を調べるのか、実際に研究現場を見てみたいです。
まあ見たところで素人の私には分からないでしょうけど・・・(笑)。
ダヴィンチは実際に科学的調査のようなこともしていたんですね。
本当に探究心が旺盛な人で、逆にやりたいことがありすぎて困っていたかもしれない。
いや、自分がなすべきことを見極められたからこそ偉人なのかもしれないけれど。
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テレビに出た (fagus06)
2015-09-09 08:07:02
その学者によると、だいたい400年に1回、雨が多い年があって、今がその400年目だそうです。この長雨もそういうことでしょうか。
ダ・ヴィンチはそうですね、好奇心旺盛というか、やりたいことが次々に出てきた人なんでしょうね。それを実現するところが凡人とは違うところですが。
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