樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

京都府で初めての観察

2018年02月22日 | 野鳥
前回のタイトルは「京都府で初めての記録」、今回は「京都府で初めての観察」。
先日、京都府南部の某所にマガンの群れがやって来ました。私も編集に関わった『Birds of Kyoto 京都府鳥類目録』によると、京都府でのマガンの記録はほとんどが北部か中部のもので、南部では数例。しかも1羽程度。内陸部に34羽もの群れが飛来したのは、おそらく初めてでしょう。
私自身も琵琶湖北部や石川県の片野鴨池では見たことがありますが、京都府内で観察するのは初めて。今年は記録的に雪が多く、北陸地方では餌が取れないので南下してきたと思われます。



マガンに関して松田道生さんが、シマエナガブームなどカワイイ系の鳥がもてはやされることへの疑問として、以下のように書いておられます。
「私は、オオハクチョウよりマガンのほうが魅力的な鳥類と感じます。もちろん一般的には白くて優雅で美しいオオハクチョウのほうが人気です。鳥インフルエンザが問題にならない頃は白鳥類がくれば、すぐに餌付けが行われ、場所によっては観光資源となり地域起こしに活用されてきました。マガンは、茶色で地味な色をしています。そして、人の与える餌に付くことは希です。最近では、だいぶ近くに来るようになりましたが、警戒心の強さは心憎いほどです。それにも関わらず、私がマガンに魅力を感じるのは、野生を感じさせるからです。人が与える餌を食べ人にすり寄るような不純な生き方をしない気高さを魅力と感じるからだと思います」。
私自身はかわいい小鳥が好きですが、松田さんが指摘されるように「カワイイ・キレイ→野鳥のペット視」という動向には違和感を覚えます。
「私は、ジャイアントパンダが嫌いです。ぬいぐるみみたいで、野性味を感じさせない生物だからです」という松田さんの言にも同感です。
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