樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

鳥と人間の死亡リスク

2022年05月05日 | 野鳥
人間の場合、生まれてくる赤ちゃんの性比は男:女=105:100で、男の方が少し多いそうです。ところが、一定の年齢になると100:100になり、さらに高齢になると女性が多くなります。男の方が死亡リスクが高いので、あらかじめたくさん生まれるということのようです。鳥はどうなんでしょう?
台湾で行われたオシドリの調査によると、幼鳥ではオス:メス=92:100でわずかにオスが少ない程度ですが、成鳥になると210:100とオスがメスの2倍以上になりました。さらに、発信器を付けて追跡調査したところ、12カ月の生存率はオス0.8に対してメス0.44とオスの半分程度でした。
その原因は捕食。春から秋の死亡率が高いことから、研究者はこの時期のメスはヒナを連れていることが多いこと、換羽後の飛べない時期に(オスは群れでいるのに対して)メスは単独でいること、つがいのオスによる防衛がないことをその理由に挙げています。
下は10年ほど前に撮影したオシドリですが、そう言われれば、メスよりもオスの方が多いように見えます。



また、ある研究機関がカモの性比を調査したところ、マガモやコガモは半々であるのに対して、ホシハジロやオシドリではほとんどの調査地でオスの方が多かったそうです。
その他の鳥にも共通するのかどうか分かりませんが、少なくともカモ類では人間とは逆にメスの方が死亡リスクが高いわけです。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2022-05-05 13:22:12
人の場合は医療が発達したので、若い世代の女性の死亡率が減ったのかもしれません。高齢者の場合、昔も今も女性が多いですね。戦争のせいで、父世代の方は戦死者も多いです。が、今は1:1でも良い筈ですね。
長いサイクルで、都合が良いように、性別による個体数が調整される?、かもです。
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kazuyoo60様 (fagus06)
2022-05-06 10:02:05
そうですね、医療や福祉の発達は死亡リスクをかなり低下させているはずですね。
野生生物にはそれがないので、環境の破壊や温暖化が進むほど死亡リスクは高くなるでしょう。
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