京都の陶磁器と言えば清水焼ですが、現在は清水に登り窯はありません。煙害を避けて、一部の陶工が宇治の炭山という山村に移住して登り窯を築いています。清水焼は宇治の山奥でも作られているのです。
その炭山はうちから5~6km。のどかな山里で、たまに鳥を見に行きますが、先日は登り窯をウォッチングしてきました。何人かに尋ねて、ようやくある組合の登り釜を見せていただくことができました。
(今では数少なくなった登り窯)
登り窯で燃やす薪はアカマツ。火力が強いのに加え、油煙が多く、それが土や釉薬に作用していい焼物ができるそうです。登り釜の前にはたくさんのアカマツの薪が積み上げられていました。わざわざ備前から取り寄せるとか。
(登り窯の前に積み上げられたアカマツの薪)
茶碗と木の関係は薪だけではありません。釉薬には木の灰を使います。中でも重要なのがウバメガシ、ツバキ、クリ、イスノキの4種類の木灰。イスノキについては、以前bulbulさんから「先祖の陶工が釉薬に使うために庭にイスノキを植えていた」というコメントをいただいたことがあります。特に高級な焼物にはイスノキとツバキの灰を使うので、江戸時代には尾張藩が瀬戸にイスノキを植林していたそうです。
案内してくださった若い陶工は、「登り窯で燃やしたアカマツの灰も釉(うわぐすり)に使うので大切に取っておきます」と教えてくれました。釉用の灰を専門に扱う「灰屋さん」もまだあるそうです。
(薪を継ぎ足す横穴)
ロクロを回しながら形を整えるヘラもアカマツ。土がねばり付かないだけでなく、万一手を切っても大した傷にならないそうです。多分、マツヤニがそういう働きをするのでしょう。
この炭山でも登り窯に火を入れるのは年に1~2回。他の産地でもそうでしょうが、多くの陶磁器は電気かガスの窯で焼かれています。
その炭山はうちから5~6km。のどかな山里で、たまに鳥を見に行きますが、先日は登り窯をウォッチングしてきました。何人かに尋ねて、ようやくある組合の登り釜を見せていただくことができました。
(今では数少なくなった登り窯)
登り窯で燃やす薪はアカマツ。火力が強いのに加え、油煙が多く、それが土や釉薬に作用していい焼物ができるそうです。登り釜の前にはたくさんのアカマツの薪が積み上げられていました。わざわざ備前から取り寄せるとか。
(登り窯の前に積み上げられたアカマツの薪)
茶碗と木の関係は薪だけではありません。釉薬には木の灰を使います。中でも重要なのがウバメガシ、ツバキ、クリ、イスノキの4種類の木灰。イスノキについては、以前bulbulさんから「先祖の陶工が釉薬に使うために庭にイスノキを植えていた」というコメントをいただいたことがあります。特に高級な焼物にはイスノキとツバキの灰を使うので、江戸時代には尾張藩が瀬戸にイスノキを植林していたそうです。
案内してくださった若い陶工は、「登り窯で燃やしたアカマツの灰も釉(うわぐすり)に使うので大切に取っておきます」と教えてくれました。釉用の灰を専門に扱う「灰屋さん」もまだあるそうです。
(薪を継ぎ足す横穴)
ロクロを回しながら形を整えるヘラもアカマツ。土がねばり付かないだけでなく、万一手を切っても大した傷にならないそうです。多分、マツヤニがそういう働きをするのでしょう。
この炭山でも登り窯に火を入れるのは年に1~2回。他の産地でもそうでしょうが、多くの陶磁器は電気かガスの窯で焼かれています。
その陶工の話では、灰を作るにもいろいろ方法があって、ただ燃やして灰にすればいいというものではないようです。
それに、昔は旅館や料亭などで使っていた火鉢の灰(備長炭ですからウバメガシの灰)を回収して釉薬に再利用していたらしいですが、最近は火鉢を使う店が少なくなって、灰の回収ができないそうです。
伝統の道具が消えると、いろんな所に影響が出るんですね。
アカマツはいろいろ使えるからなんとか北海道にも、
という昔の人の思いがあったのではないかとふと思いました。
そのうち記事にしようと思いますが、それにしても備前から松割り木を仕入れているんですか、売り込みに行ってこようかな?(笑)
意外にも、北海道に自生する針葉樹は種類が少ないんですね。
沖縄にはリュウキュウマツがあちこちに生えていましたが、これも現地では数少ない針葉樹でしょう。
備前に自生するアカマツ、というよりも、備前焼がある関係で、薪の流通拠点になっている、ということかも知れません。
写真の薪は太いままですが、この横には、それを4分の1くらいに割った細かい薪もありました。火力の調節に使う薪だそうです。
ぜひ、売り込みに行ってください。でも、年に1回しか火を入れないそうですから、売れる量は少ないかも…。