樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ガンカモ調査で異変

2018年01月18日 | 野鳥
今年も4地点のガンカモ調査を担当しました。まず1月7日は淀競馬場の池。昨年は飼われていたコブハクチョウが鳥インフルエンザに感染したためすべて殺処分されました。


池の周囲は消毒用の石灰で真っ白(昨年撮影)

「今年は給餌もないので、おこぼれを期待するカモも激減しただろう」と思いながらカウントしたところ、予想に反して昨年の2.3倍の505羽。しかも、昨年は記録されていないマガモやヨシガモ、ハシビロガモもいます。さらに、ミコアイサも1羽。
毎年、朝7時前に行くと開場前の正門に数十人の観客が並んでいますが、今年は人数が多い。後で分かったことですが、キタサンブラックの引退式が行われたようです。
同じ日の午後は、近くの池で調査。「ガンカモ調査を見学したい」という女性会員を連れて、ゆっくり観察しながらカウントしました。12月の探鳥会で確認したミコアイサが3羽います。頭が茶色なので、以前なら「雌」と即断できましたが、氏原さんの『日本のカモ識別図鑑』が発行されて以降は、単純には雌雄を判別できなくなりました。淀の個体も雌タイプでした。
昨年の調査では京都府下で確認されたミコアイサはわずか2羽。今年の集計はまだですが、私は淀とこの池ですでに4羽観察したことになります。下の動画は別の場所で撮ったミコアイサの雌(確認済)。



1月13日は京都府北部の阿蘇海(天橋立の内海)と日置(丹後半島の東海岸)の調査。私の故郷ですが、この時期はほとんど毎日雪か雨で、昨年は2回延期させられ、今年も1月8日の予定が雨で13日に延期。しかも午後は雨かみぞれという予報でしたが、再延期しても晴れるかどうか分からないので強行しました。
調査結果は、阿蘇海が昨年より600羽も少ない1,720羽、日置も220羽少ない280羽。スコープを左右に振りながら海面を観察するので、昨年は同行メンバー2人が船酔い症状に見舞われましたが、今年は数が少ないためかそういう症状もなかったようです。
数が減った反面、昨年も一昨年も記録されなかったオカヨシガモを6羽確認しました。淀競馬場では倍増した一方、丹後では激減。そして、いずれでも従来記録されていない種類が出現。私が担当した調査地点に限ってですが、ちょっとした異変でした。
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4 コメント

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判別が難しい! (ちどり)
2018-01-20 20:12:07
鴨川のカワアイサも頭の茶色は♀とばかり思っていましたが、そうとは言い切れないことを知りました。
成鳥になるまでは♂も♀そっくりで、嘴の先、風切羽の色など、細かく観察しないとわからないようですね。
ミコアイサも同じなのですね。おどろきでした。

この頃、ユリカモメやヒドリガモが減り、なんかヘンですね。
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私も (fagus06)
2018-01-23 09:24:26
カワアイサは頭が茶色なら♀と思っていました。あの氏原さんの図鑑が出てから、カモ類の雌雄の判別方法が変わりましたし、雑種ガモを熱心に観察される方も増えています。影響力の大きい図鑑ですね。
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Unknown (guitarbird)
2018-01-25 06:56:23
おはようございます
京都競馬場のコブハクチョウ殺処分になったのですね。
スワンステークスというレースがあって確か池の白鳥にちなんで名づけられたものだと思っていましたが、またコブハクチョウ入れるのかな、入れてほしいと思いました。
現場の大変さを考えていない外野的意見ですが。
そのカモ図鑑は出ているのを知りませんでしたが私も買ってみようと思います。
私も水辺が近ければもっとカモ類観察したいです。
先日うちから2番目に近いカモ類がいる場所に行きましたが見事にマガモしかいませんでした、たくさんいたことはいたのですが(笑)。
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そうですか (fagus06)
2018-01-25 09:45:24
白鳥をタイトルにしたレースがあるのですね。淀競馬場としては、昨年の殺処分は大変な混乱だったでしょうから、多分再度飼うことは考えていないのではないでしょうか。人間への感染リスクも想定するでしょうし。
氏原親子が発刊した「日本のカモ識別図鑑」がバーダーに与えている影響は大きいようです。ミコアイサだけではなく、カワアイサも頭が茶色なら♀と思い込んでいましたが、♂でも茶色い頭がいるようです。
また、私の周囲にはこの図鑑をきっかけにしてカモを見直すベテランがいて、特に雑種ガモを追いかけています。私は識別にはあまり関心がないので深追いはしませんが…。
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