江戸城を建てた武将・太田道灌(どうかん)が、山里で雨に降られたので農家で蓑(みの)を借りようとしたところ、娘が黙ってヤマブキの花を差し出した。その時は意味が理解できず怒って帰ったものの、後になって「七重八重 花は咲けども 山吹の実の(蓑)一つだに なきぞ悲しき」という古い歌に託し、蓑がないほど貧しいことを伝えたことが分かった。という話はよく知られています。
八重咲きのヤマブキは栽培品種なので実が成らない
道灌は自分の無教養を恥じ、以後は和歌の勉強に励んだそうで、その後日談が残っています。
主君とともに山が迫った海岸沿いの道にさしかかり、山沿いの道を通ると敵の襲撃を受けるかもしれず、海辺を通ると潮が満ちていれば流されるという状況に追い込まれます。夜で潮の干満が見えないところ、道灌が海辺を偵察してすぐに戻り「潮は引いています」と告げます。
「なぜ分かる?」と問う主君に、「遠くなり 近くなるみの 浜千鳥 鳴く音(ね)に潮の 満ち干(ひ)をぞ知る」という古歌を紹介して、「千鳥の声が遠かったので、潮は引いています」と告げた。という話です。ヤマブキでの失敗をチドリで挽回したわけです。
この浜千鳥がどんなチドリなのかが気になりますが、海岸にいるのならシロチドリかも知れません。
話としてはよくできていて面白いのですが、チドリやシギは夜行性ではないので、夜に鳴き声が聞こえることはないはず。ヤマブキの件も冷静に考えると、武士に「蓑を貸してほしい」と問われて、娘が黙ってヤマブキの花を差し出すというのも不自然です。
和歌の研究者が都合よく創作した作り話ではないでしょうか。
八重咲きのヤマブキは栽培品種なので実が成らない
道灌は自分の無教養を恥じ、以後は和歌の勉強に励んだそうで、その後日談が残っています。
主君とともに山が迫った海岸沿いの道にさしかかり、山沿いの道を通ると敵の襲撃を受けるかもしれず、海辺を通ると潮が満ちていれば流されるという状況に追い込まれます。夜で潮の干満が見えないところ、道灌が海辺を偵察してすぐに戻り「潮は引いています」と告げます。
「なぜ分かる?」と問う主君に、「遠くなり 近くなるみの 浜千鳥 鳴く音(ね)に潮の 満ち干(ひ)をぞ知る」という古歌を紹介して、「千鳥の声が遠かったので、潮は引いています」と告げた。という話です。ヤマブキでの失敗をチドリで挽回したわけです。
この浜千鳥がどんなチドリなのかが気になりますが、海岸にいるのならシロチドリかも知れません。
話としてはよくできていて面白いのですが、チドリやシギは夜行性ではないので、夜に鳴き声が聞こえることはないはず。ヤマブキの件も冷静に考えると、武士に「蓑を貸してほしい」と問われて、娘が黙ってヤマブキの花を差し出すというのも不自然です。
和歌の研究者が都合よく創作した作り話ではないでしょうか。
ヤマブキうちの庭にもありますが、そういえば増えないと思ったら栽培品種だからなのですね(八重です)。
その代わりヤマブキは強いらしくて、真夏に根から抜いて庭の他の場所に移したら活着しました。
昔の文学作品や歌などに出てくる鳥が何かを考察するのは楽しいですね。
確かに千鳥は夜は鳴かないでしょうね。
うちの庭にはヤマブキはありませんが、近くのよく行くお寺にはたくさん咲いていて、満開の時期は鮮やかです。