樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

中国の三大紅葉樹

2006年12月21日 | 樹木
大阪の仕事先のビルの前にナンキンハゼの街路樹があります。先日、打ち合わせの後、落葉を拾って撮影しました。先が尖った菱形の葉が特徴です。

      
           (大阪・長堀通りのナンキンハゼ)

名前の通り中国から渡来した樹で、日本には自生しません。種子のロウ分から油を採取し、ローソクや石鹸、灯油、頭髪用の油などを生産するために、江戸時代から数多く植栽されました。
奈良のツリーウォッチングの会に参加したとき、「奈良公園にナンキンハゼが多いのは鹿が食べないからだ」と教えてもらいました。同じ理由でアセビが多いのは知っていましたが、ナンキンハゼのことは知りませんでした。確かに、お弁当を広げた場所にもナンキンハゼの幼木が点々とありました。

      
           (奈良公園のナンキンハゼの幼木)

アセビは「馬酔木」と書くように有毒成分が含まれています。ナンキンハゼの白い実はポップコーンみたいで、鳥は食べますが、哺乳類には有害。奈良の鹿は本能的にそれを知っているのでしょう。

      
          (フウの紅葉。葉が三つに分かれています。)

中国では、このナンキンハゼとフウ、マユミを三大紅葉樹と呼んでいます。カエデ類が入っていないのは、種類が少ないからでしょうか。
フウには中国では「楓」の文字を当てます。この漢字は日本では「カエデ」と読みますが、同じように紅葉が美しいのでどこかで混同されたのでしょう。

      
               (マユミの紅葉)

マユミの紅葉の魅力は、少しピンクがかっているところでしょうか。昔、弓の材料にしたのでこの名があります。
なお、ハゼという名前がついていますが、日本でロウを採取するハゼノキはウルシ科、ナンキンハゼはトウダイグサ科で全く別の樹です。
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