樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

Bird & Berry Watching

2013年11月07日 | 木と鳥・動物
鳥と木の実を観察するために、家から25kmほど離れた森林公園へ行ってきました。
現地に到着するなり目を引いたのは、小さな赤い実が鈴なりのソヨゴ。この樹は葉の付け根にサクランボのような実を1個ずつつけるので、個数は少ないはず。こんなに多くの実を見るのは初めてで、最初は別の樹かと思いました。



叶内拓哉さんの『野鳥と木の実ハンドブック』によると、「鳥が食べているところを私は見たことがない。見た目にはおいしそうでも、鳥にはまずいのだろうか。私も口に入れたことがないので味はわからない」。
叶内さんに代わって試食しました。トップテイストは青臭み、セカンドテイストは苦味。予想どおりの味でした。
ソヨゴの次に目立ったのが、コシアブラ。ちょうど緑色から黒に変化する途中です。



ウコギ科なのでクセのある苦い味だろうと予想しつつ、1粒口に入れました。トップテイストは酸味、セカンドテイストは苦味。しかも強烈で、前歯で少し噛んだだけで口いっぱいに苦味が広がります。若葉は天ぷらにして食べますが、実はとても食べられるものではありません。
花で目立ったのはクサギ。赤紫の可憐な花ですが、名前のとおり葉をちぎって嗅ぐと臭いです。嫌な臭いというよりも、ビタミン剤のような臭い。



今回の主目的は、カラスザンショウの実を食べにやって来るムギマキ。バードウォッチングを始めた頃にビギナーズラックで目撃して以来ご無沙汰している珍しい鳥で、再会を期待したのです。



このカラスザンショウの実は鳥に人気で、叶内さんによると、「渡り途中のムギマキやキビタキなどヒタキ類がよく採食することは有名。(中略)とにかくいろいろな鳥が採食にやって来て、鳥が好む木の実のベスト5に数えられることは間違いない」。
しかし、合計3時間待ったものの、ムギマキとの23年ぶりの再会は果たせませんでした。代わりにキビタキの若鳥がやってきて慰めてくれました。



この場では樹に近づけず実を試食できなかったので、帰宅後に家の近くにあるカラスザンショウの木の下で落果を探して口に入れてみました。ミカン科なので苦くはないだろうと予想していました。
サンショウの風味とほのかな甘みがあります。ピリッとした辛みはありません。例えるなら、リンゴにサンショウの粉末をかけて食べたような感じ。果肉はほとんどありませんが、癖になりそうな味でした。
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2013-11-07 18:59:33
こんばんわ
キビタキの若鳥がそちらでは見られるのですね。
こちらでも見ようと努力すれば見られるかもしれないですが、秋はひっそりといなくなる鳥なので、たまたま一度見たことがあるだけです。
ムギマキは春先にA公園で必ず見られますが、秋にはA公園以外でも見たことがありません。
クサギの実はさすがに食さなかったのですね(笑)。
コシアブラは私の身の周りに少ないので、実をまだ見たことがありませんが、ハリギリの実は鳥たちが大好きなのでコシアブラもどうかなと思いました。
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ムギマキが (fagus06)
2013-11-08 07:40:31
必ず見られるというのは、うらやましいですね。
クサギはさすがに手が出ません。葉っぱは広島県では食べるようですよ。
コシアブラは強烈に苦かったのですが、黒く熟すと鳥も食べるようです。私が食べたのも黒い実でしたが、鳥の味覚はどうなっているんでしょうね。
ハリギリもウコギ科ですから、人間が食べると苦そうですね。
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