日本最大の楽器メーカー・ヤマハはバイオリンとビオラとチェロは製作していますが、コントラバスは作っていません。そのトップメーカーは、意外にも宇治市にあります。
以前から製造現場を見学したいと思っていたところ、仕事場にお邪魔しなくても見られる機会ができました。ヒガシ弦楽器製作所の代表者・東澄雄さんが宇治市の技能功労者として表彰され、その会場で実演されるというので見に行ってきました。
大きなコントラバスの裏板を足で抱え、小さな鉋で削っておられる姿はいかにも職人。部分によって4~5ミリから8~9ミリの厚さに削り分けるそうです。
ベニヤ合板による30万円くらいのものから、100万円以上の本格的なものまで、6人の職人さんで月に30台~40台生産されるとか。
(100万円クラスの本格派)
木材マニアとしては材質が気になるところで、バイオリンと同じく、表板はドイツトウヒ(スプルース)、裏板と側板はイタヤカエデ、指板はコクタンだろうと予想していました。しかし、東さんに尋ねると、表板はアラスカ産のスプルースとのこと。ヨーロッパにはコントラバスに使えるだけの大きなスプルースがないそうです。
(表板はアラスカ産スプルース)
裏板や側板、ネックは普通のカエデ。イタヤカエデは硬過ぎるそうで、何カエデかまでは分かりませんが、日本産のカエデということですから北海道あたりに自生する大径木のカエデでしょう。指板のコクタンはバイオリンと同じ。
よく似た楽器なのに、大きさが違うために使用する木材も微妙に異なることが新たな発見でした。
(東さんの道具)
実際に弾いて音を披露された息子さんに素朴な疑問をぶつけたところ、クラシックで使うコントラバスとジャズで使うウッドベースは全く同じとのこと。一方は弓で、一方は指で弾くので、プレーヤーの調整方法は違うそうです。
(バイオリンのルーツ、ビオラダガンバも製造されています)
当日、技能功労者として表彰されたのは17人。宇治ですから製茶はもちろん、左官、造園、大工、理美容など職種もさまざま。その中でも 楽器製造というのは珍しい職種です。
ヒガシ弦楽器製作所のwebサイトはこちら
以前から製造現場を見学したいと思っていたところ、仕事場にお邪魔しなくても見られる機会ができました。ヒガシ弦楽器製作所の代表者・東澄雄さんが宇治市の技能功労者として表彰され、その会場で実演されるというので見に行ってきました。
大きなコントラバスの裏板を足で抱え、小さな鉋で削っておられる姿はいかにも職人。部分によって4~5ミリから8~9ミリの厚さに削り分けるそうです。
ベニヤ合板による30万円くらいのものから、100万円以上の本格的なものまで、6人の職人さんで月に30台~40台生産されるとか。
(100万円クラスの本格派)
木材マニアとしては材質が気になるところで、バイオリンと同じく、表板はドイツトウヒ(スプルース)、裏板と側板はイタヤカエデ、指板はコクタンだろうと予想していました。しかし、東さんに尋ねると、表板はアラスカ産のスプルースとのこと。ヨーロッパにはコントラバスに使えるだけの大きなスプルースがないそうです。
(表板はアラスカ産スプルース)
裏板や側板、ネックは普通のカエデ。イタヤカエデは硬過ぎるそうで、何カエデかまでは分かりませんが、日本産のカエデということですから北海道あたりに自生する大径木のカエデでしょう。指板のコクタンはバイオリンと同じ。
よく似た楽器なのに、大きさが違うために使用する木材も微妙に異なることが新たな発見でした。
(東さんの道具)
実際に弾いて音を披露された息子さんに素朴な疑問をぶつけたところ、クラシックで使うコントラバスとジャズで使うウッドベースは全く同じとのこと。一方は弓で、一方は指で弾くので、プレーヤーの調整方法は違うそうです。
(バイオリンのルーツ、ビオラダガンバも製造されています)
当日、技能功労者として表彰されたのは17人。宇治ですから製茶はもちろん、左官、造園、大工、理美容など職種もさまざま。その中でも 楽器製造というのは珍しい職種です。
ヒガシ弦楽器製作所のwebサイトはこちら
私にとってもいろいろ興味深い記事でした。
拝読しているうちに、宮大工の西岡常一さんの言葉を思い出しました。「木を買うな、山を買え」とか「木が生えていた方角のまま柱に使え」というような経験則を、ヨーロッパの昔の楽器づくりの職人もそれぞれに持っていたわけですね。
いつか、私のブログのネタに使わせていただくかもしれません。
もちろん、同じ仲間のヴィオラやチェロもつくりました。楽器の分類では、チェロまでがヴァイオリン族になり、コントラバスはヴィオール族で、別物ということになります。調弦も、ヴァイオリン族は完全5度(ドとソの関係)ですが、コントラバスは4度(ド、ファ)になります。
そして、なぜか「ヴァイオリンは完成した楽器」と言われているのに対し、コントラバスは不完全だといわれています。
でもまぁ、そんなことは分類学上の学者さんたちが決めることで、趣味家の私たちにはまったく関係ありません。
さて、夜な夜な木と対峙してシコシコと削っていますと、いろいろなことを考えます。そのことを書いたのが上のurlです。
そして、木に対してたいへん造詣の深い貴兄と、これからもいろいろとご厚誼願えればと、このコメントを書いています。よろしくお願いします。
手元の図鑑で見ると、奄美大島、沖縄、台湾、中国南部、東南アジアが分布域のようです。
材は固くて、沖縄では建築材に使われるそうです。
すいません、関係ない話で申し訳ないのですが、
イジュという中国の材をご存知ですか・・・ご存知ですよね。
BLOG仲間の記事で、イジュで出来たくるみ割りはさみを
店で見つけて買ったとあって、調べると、
ツバキ科の常緑高木だとまでは分かったのですが、
私は初めて聞いた名前で、まだまだ木はたくさんあるなと思いました。
そして固い材なんだろうな、とも。
長々とすいませんでした・・・
木工を志す方には魅力ある世界なんでしょうね。
先日、ストラディバリウスを分析した研究所が、「特殊なニスは使っていなかった」と報告したそうです。
和の木工品の表面塗装は漆、西洋の木工品はニスということになるんでしょうか。
私も宇治にこんなメーカーがあると知って、誇らしくなりました。
コントラバスのメーカーはここを含めて日本に4社ほどあって、それ以外に個人で製造している職人さんもいらっしゃるようです。
また、世界的にはイタリアのメーカーが有名で、当然、輸入品もあります。
そうるすと、(推定ですが)月に100台以上が供給されていることになります。私も「そんなに需要があるのかな~」と疑問でした。
息子さんにそのへんをやんわりと尋ねると、クラシックやジャズなど楽団以外に、学校の吹奏楽とか音楽教育などの需要もあるそうです。
逆に輸出用もあるでしょうし…。
修理などの需要もけっこうあるそうです。
昔、楽器(バイオリン)を作ってみたいと思って資料を集めた時期もあったのですが、中途半端にやったのではろくなものはできない、とあきらめました。でも、いつか挑戦してみたいという思いは今でもあります。
ここは音楽好きとしては行ってみたいですね。
しかし月に30台以上も作られているというのは、
そんなに多いんだってちょっと意外で、かつうれしかったです。
そして確かにこちらには大きなイタヤたくさんありますが、
それも楽器に使われているのはうれしいですね。
ところで余談ですが、バイオリンを数える時は、
「挺」だと昔教わったのですが、コントラバスくらいだと
大きいので「台」になるのかな、間のチェロはどうなだろう
などと読んでいて思いました。
ちなみに自分はギターは「本」で数えています。
今ネットで調べたら、生木を使うことと、電動工具ではなく昔ながらの道具で手作りすることがコンセプトのようですね。
イスとかスプーンとか身の回りのものを自分用に作るにはいいでしょうが、楽器とかは無理でしょう。
いつか、このグリーンウッドワークのことも記事にします。ありがとうございました。
ただ、まだ何を作りたいかが湧いてこないので、モチベーションが高まっていません。
何となく木工がやってみたい、というレベルです。
今の時期、昔は年賀状を木版画で作成していましたが、下手ながら、没頭すると時間を忘れますね。
私も一時バードカービングに凝ってましたけど、時間を忘れます。仕事ともなればまた違うのかもしれませんが、好きな方ならこんなに楽しい仕事はないでしょうね。
fagusさんは木で何かを造るってことはないんですか?