樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

針葉樹は偉い

2013年02月04日 | 樹木
日本に生息する鳥は約500種。一方、樹木はその3倍の1500種といわれていて、私が準拠している図鑑にも1300種が網羅されています。
このうち最も多く生えている樹は何だと思いますか?
日本の国土の67%が森林で、そのうちの19%がスギの人工林。つまり国土の12%にスギが植えてあるわけですから、本数は不明ですがスギが最多でしょう。その次は、おそらくヒノキ。
関西にはスギとヒノキが混植されている森が多く、樹皮を見てもどっちがどっちか分かりにくいですが、きれいに整っている方がスギ、カサついて荒れている方がヒノキです。


左はきれいに整っているのでスギ、右は荒れているのでヒノキ

また、日本一高い樹もスギ。世界一高い樹はセンペルセコイヤで、こちらもスギ科です。スギをはじめ針葉樹は上に成長することで光を得ようとするため、樹高が高くなる傾向があります。
日本の針葉樹はカラマツを除いてすべて常緑ですが、全く落葉しないわけではありません。杉林へ行くといっぱい葉が落ちています。茶色く枯れた葉だけでなく、緑のままの葉も落ちています。



落葉のサイクルは環境によって違うようで、一般的な針葉の寿命は1~2年。マツの中には10年も落ちない針葉があるそうです。ちなみに、最も寿命が長い針葉はアメリカのイガゴヨウマツで33年。
スギ、ヒノキに次いで多いのは、多分カラマツ。北海道をはじめ北部の人工林はカラマツが多いからです。
この3種の植林が多いということは、それだけ人間にとって利用価値があるということ。針葉樹と広葉樹で分ければ、私たちの暮らしに役立っているのは圧倒的に針葉樹でしょう。
どこにでもあるし、花も目立たないし、姿も面白くないし、実が食べられるわけでもないし、花粉症になるし、人間から冷たい視線を浴びていますが、針葉樹は偉いです。
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4 コメント

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Unknown (guitarbird)
2013-02-04 09:57:54
こんにちわ
北海道に限るとやはり植林のカラマツが多いかなという感じです。
自然の状態だけでみればイタヤが多いと感じます。
やはり (fagus06)
2013-02-05 07:51:25
カラマツの植林が多いですか。
自生ではイタヤカエデが多いという実感は、少し意外でした。何となく、ミズナラとかハルニレが多いかなと思っていました。まったく根拠のない、単なるイメージですが。
針葉樹ではエゾマツとかトドマツの自生が多いんでしょうね。
そういえば (yambo)
2013-02-05 13:11:43
植物園で見たなと思い出して,自転車駆って見に行ってきました。センペルセコイア。すっと上に伸びていかにも大きくなりそうな感じですね。葉が落ちていた針葉樹があったので,何かなと見たら,メタセコイア,カラマツ,ラクウショウでした。
いまの日本にスギが一番多いのは,そうだろうなとは思いましたが,スギの植林が盛んになる前もそうだったんでしょうか。
植林される前の (fagus06)
2013-02-06 08:27:58
優先樹種がスギだったかどうかは分かりません。
ただ、万葉集にスギ植林の歌が残っているので、当時からスギは植林されていたようです。
今のように面積が爆発的に拡大したのは、戦争中のようです。
当ブログの2007年10月22日に「お山の杉の子」という唱歌を取り上げましたが、オリジナルの歌詞では軍用船や軍人病院を作るためにスギを植えようとなっています。
植物園には落葉する針葉樹がいくつか展示してありますね。メタセコイヤもラクウショウも、確か中国原産でしたね。

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