樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ソングポスト

2013年05月23日 | 野鳥
若狭湿原ツアーの主目的はもちろん野鳥。京都から近いので時間に余裕があり、2日目の池河内湿原で半日ゆっくり過ごしました。
湿原を半周したあたりで、クロツグミがひとしきり鳴いては飛び立ち、また同じ樹に戻って鳴いています。鳥がさえずる定位置をソングポストと言いますが、このクロツグミのソングポストはこの樹のようです。
ちなみに日本野鳥の会京都支部の会員誌名は『そんぐぽすと』。鳥が止まってさえずるように、それぞれの思いを語り合う場にしようという意味を込めています。いい名前でしょ?



クロツグミはよく鳴く鳥で、以前訪れた北海道のキャンプ場では朝から夕方まで1日中さえずっていました。声が大きく、音色もメロディも多彩です。
「日本三鳴鳥」はウグイス、コマドリ、オオルリですが、私の周囲には「オオルリよりもクロツグミを三鳴鳥に入れるべき」というバーダーが多いです。私も同感です。
クロツグミのソングポストのすぐ近くで、ホオジロが歌い始めました。このさえずりは「一筆啓上つかまつり候」とか「源平つつじ白つつじ」と聞き成すことで知られていますが、最近は「札幌ラーメン塩ラーメン」とのこと。確かにリズムは合っています。



この湿原では、姿こそ見せなかったものの、コルリも藪の中からちょっとクセのある歌を聴かせてくれました。タカも2種類出現しました。
午後には、前日の雨でじっくり観察できなかった中池見湿原を再訪し、オオルリやキビタキなどを観察しました。
暖かな初夏の陽射しを浴び、心地よい風に吹かれながら、湿原のカエルの声や草の匂いに包まれて鳥の声に耳をそばだてる…。いや~、至福のひとときでした。
コメント (2)
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