樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ツツジにご用心

2010年05月10日 | 樹木
土曜日、30kmほど離れた京都府営の木津浄水場が一般公開されたので行ってきました。
園芸品種に詳しくないのでよく分かりませんが、場内にはヒラドツツジやキリシマツツジなど6種類約1万本のツツジが植えられているそうで、赤、白、紫、ピンクと実にカラフル。
知人に聞いた話では、ツツジは自然交配しやすく次々に新種が生まれるとか。江戸時代の貿易港・平戸で、オランダへ輸出するために植えていた数種類のツツジが自然交配して生まれたのがヒラドツツジだそうです。


(これがヒラドツツジかな?)

みなさんも経験があると思いますが、子どもの頃ツツジの花を引き抜いて軸部分からよく蜜を吸ったものです。今回、久しぶりにツツジの花の蜜を吸ったら、ほのかに甘い、懐かしい味でした。


(この後、ツツジの蜜を実食!)

ところが、ツツジは有毒なんだそうです。特に危険なのがレンゲツツジ。全木に痙攣毒が含まれていて、呼吸停止を引き起こすこともあるそうで、国立医薬品食品衛生研究所にはトルコ産のツツジの蜂蜜で中毒した例が報告されているとのこと。
また、韓国にはもともとは羊の牧場だったのに、羊が食べないツツジ(クロフネツツジ)だけが残ってツツジの名所になった場所があるようです。
そう言えば、奈良にはシカが食べないアセビだけが残った林がありますが、アセビもツツジ科で、「馬が酔う木」と書きます。馬や牛が食べて「霧酔病」になるネジキもツツジ科。この仲間は有毒なものが多いです。



京都市営の蹴上(けあげ)浄水場もツツジの名所ですし、全国各地にツツジの名所になっている浄水場があります。水道施設は毒を使ったテロを防ぐために警戒が厳重ですが、そんな場所に、種類によって違うとはいえ有毒で、しかも自然交配しやすい樹木を植えて大丈夫なんでしょうか。



一般公開に出向いたもう一つの目的は「京都の水」。東京都や大阪市が高度浄水処理した水道水をペットボトルに詰めて販売していますが、京都府にもボトル入りの水道水があります。でも、市販されておらず、こういうイベントで配られる言わばレア物なのです。


(超レア?な「京都の水」)

中に入っているのは、京都府営の宇治浄水場の水。わが家の蛇口から出てくる水と同じです。わざわざ出向いて入手する必要はないのですが、仕事で使う予定があって、このボトルが欲しかったわけです。
コメント (2)
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