樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

学問の木

2010年05月17日 | 伝説の樹
「楷(かい)の木」ってご存知ですか? 
中国山東省にある孔子の墓に弟子の子貢(しこう)が植えた木で、科挙の試験に合格した人にこの木で作った笏を贈ったことから、中国では「合格祈願の木」や「学問の木」として知られているそうです。
植物学的にはウルシ科カイノキ属の落葉高木。枝が直角に伸びて楷書の文字に似ていることから「楷の木」と呼ばれるようになったとか。その珍しい木が大阪のある公園に植樹されたと聞いて行ってきました。


(楷の木)

1915年に孔子の墓の木の種子が日本に持ち込まれ、岡山藩の藩校などに植えられました。現在、その藩校のカイノキの落ち葉は受験のお守りとして持ち帰られるとか。岡山県ではけっこう一般的で、紅葉が美しいこともあって学校や公園によく植えられているようです。


(ウルシの仲間なので羽状複葉)

この大阪のカイノキも岡山の藩校の種子から育てられたもので、孔子の墓に植えられた木の子孫にあたります。訪れたのは4月末でしたが、まだ葉っぱの展開が始まったばかりでした。公園には全部で5本のカイノキが植えられています。
数年後には、岡山県と同じように、この落ち葉が合格祈願として持ち帰られるようになるかも知れません。
コメント (4)
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